おらがまち

知れば知るほどおもしろい!自分の町と日本の文化!

安房神社は金運パワースポット!ご利益をもらうための基礎知識。

スポンサートリンク

こんにちは。

弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。

 

今回は地元の一の宮「安房神社」についてご紹介します。

 

最近「金運アップ」のパワースポットとしても知られるようになりました。

一体どんな神様や神社なのか詳しくご紹介ます。

 

f:id:oragamatiko:20180801153116j:plain金運アップなんて信じない、って人におすすめ記事

安房神社の基礎知識

awajinja

安房神社境内の様子

御祭神

安房神社には主祭神の天太玉命(アメノフトダマノミコト)をはじめその奥さんの神様や孫、親戚が鎮座します。

 

忌部氏関連の神様がほとんどですが、海に近いことから海関連の神様も祀られているのが特徴です。

■ 上の宮 (本宮)

主祭神

天太玉命(アメノフトダマノミコト)---日本の全ての産業創始の神

相殿神

天比理刀咩命(アメノヒリトメノミコト)---天太玉命の妃神

忌部五部神

櫛明玉命(クシアカルタマノミコト)---出雲(島根県)忌部の祖、装飾・美術の神

天日鷲命(アメノヒワシノミコト)---阿波(徳島県)忌部の祖、紡績業・製紙業の神  

彦狭知命(ヒコサシリノミコト)---紀伊(和歌山県)忌部の祖、林業・建築業・武器製造業の神

手置帆負命(タオキホオイノミコト)---讃岐(香川県)忌部の祖、林業・建築業・武器製造業の神

天目一箇命(アメノマヒトツノミコト)---筑紫(福岡県)・伊勢(三重県)忌部の祖、金属鉱業の神

■ 下の宮 (摂社)

祭神

天富命(アメノトミノミコト)---天太玉命の孫神

天忍日命(アメノオシヒノミコト)---天太玉命の兄弟神

■ 厳島社 (末社)

祭神

市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)---海上交通を守護される海の神

■ 琴平社 (末社)

祭神

大物主神(オオモヌシノカミ)---海上交通・航海安全の神

※安房神社公式ホームページから引用

縁起

安房神社創建は今から2670年以上も前とされています。

 

神武天皇の命令を受けた天富命(アメノトミノミコト)が安房の国にやって来て、天富命のおじいちゃんである天太玉命(アメノフトダマノミコト)とおばあちゃんの天比理刀咩命(アメノヒリトメノミコト)を布良浜の男神山と女神山にそれぞれ祀ったことが安房神社の始まりといわれています。

 

現在の場所に遷されたのは養老元年(717年)。

 

歴史学的にみると、創建年は紀元前660年にあたり、この時は弥生時代早期又は縄文時代末期。

布良浜の男神山・女神山に神社が建っていたかどうかは不明ですが、古墳時代の遺跡などが発掘されていますので、この山を御神体とした何かしらの施設が建っていた可能性はあるかと思います。

 

また現安房神社が建っている地でも弥生時代の遺構が発見されており、現在の場所も忌部氏と関わりのあった地とされています。

 

少なくとも8世紀前半の書物*1には安房神社の名が記載されていることから、その頃には神社として存在していたことがわかります。

 

当初から高い地位の神社で、神社直轄の土地(神群しんぐん)を持っていました。

これは全国に8箇所しかないうちの1つとなります。

 

「八神群」とは、大神宮(伊勢神宮)の伊勢国度会郡・伊勢国多気郡、香取神宮の下総国香取郡、鹿島神宮の常陸国鹿島郡、熊野大社の出雲国意宇郡、日前神社と国懸神社の紀伊国名草郡、宗像神社の筑前国宗像郡、そして安房神社の安房国安房郡となります。

ちなみに今の館山神戸地区は、安房神社の所領、神社に使える人の戸(家)があることからその名がつきました。

 

その後平安時代になると、神社のランク付け『延喜式』神名帳に安房の国一の宮として列席されています。

 

鎌倉時代になると同国の総社であった現在の鶴谷八幡宮が源氏の八幡信仰の流れで主流となりますが、それでも安房の国一の宮として現在まで存続し、重要視されていました。

御利益

安房神社は、ものを生み出す力に長けた神様がたくさんいます。

 

仕事や物事に行き詰った時に、そこから何かを生み出すきっかけを与えてくれるそうです。

ジャンルは様々で、仕事はもちろん、学業、美術、芸術、金属、建築などなど。

 

細かくまとめてみましたので、参考にしてください。

1、モノを生み出す力

主祭神の天太玉命 (アメノフトダマノミコト)は、日本の産業の創始神といわれています。

ものを作ることに長けていて、中小企業や個人商店など技術向上・商売繁盛などにご利益があります。

 

そのため「技術向上から金を得る」ということから、金運アップの力もあるとされます。

2、夫婦円満

主祭神の天太玉命 (アメノフトダマノミコト)とその奥さんの神様である天比理刀咩命 (アメノヒリトメノミコト)は、夫婦円満の神様としても知られています。

地元の祭礼の時には両神輿が並んでモミサシをすることは有名で、大変仲の良い夫婦とされます。

 

神前式なども行われているのでご縁のある方はぜひいらしてくださいね。

 

f:id:oragamatiko:20180801153116j:plain神前式について

3、技術の神様

相殿に祀られている忌部五部神は、それぞれデザインや建築など技術の神様です。

下にざっとご紹介します。

 

・櫛明玉命(クシアカルタマノミコト)

芸術や美術系大学の合格祈願、デザイナー、美容関係の方の技術向上

・天日鷲命(アメノヒワシノミコト)

衣料品や製紙関連(新聞、雑誌、書籍など)にご利益

・彦狭知命(ヒコサシリノミコト)/手置帆負命(タオキホオイノミコト)

林業・建築業・武具製造業の神なので、モノつくりにも霊験があり。

・天目一箇命(アメノマヒトツノミコト)

製鉄業など金属を扱う分野にご利益ありで、ものづくりの神として有名

4、新しい道を切り開く力をくれる

摂社の天富命(アメノトミノミコト)と天忍日命(アメノオシヒノミコト)は、共に開拓の神です。

新しい環境で、ことを切り開く心の強さと粘り、集中力、チャレンジ精神をあたえてくれます。

OnePoint パワースポットとして

まちこ的には夏に行くことをおすすめします。

夏のセミの鳴く暑い時期に、安房神社に行くとすごくわかることがあります。

 

それはすがすがしさ。

 

一度体験するとクセになります。

安房神社はパワースポットとして知られていますが、その意味がなんとなくわかります。

そういったものを信じている人、信じていない人も、もやもやしたものがなくなって晴れやかな気分になれるところに間違いないです。

 

また、安房神社の参道には桜の木が植えてあります。

この桜の木はとても背が低く、花が咲くと視界をさえぎるほど低いです。

春先のこの桜道から、境内へ続く道のなんと美しい事か。

 

皆さんも体験してみください。

病み付きになること間違いなしです。

 

あ、帰りに境内のお茶屋さんも寄ってね。

御朱印

安房神社には常に宮司さんがいらっしゃいます。

朝の8時半から5時までなら御朱印を受け付けてもらえますので、御朱印集めが趣味の方は授与所(お札などを売っているところ)に声をかけてくださいね。

 

お守りの郵送などは行っていませんので、安房神社の御朱印やお守りが欲しい人は直接安房神社へ行きましょう。

 

ちゃんと広い駐車場がありますのでご安心を。

 

ちなみに隣接している「館山野鳥の森」は野鳥の散策コースやジオラマ展示コーナーなどがあり、不定期に工作体験なども。

館山周辺のレジャーや体験・チケットはアソビューで簡単予約できます。

 

それから、御朱印をもらいに行くなら祭礼の日が断然おすすめ。

理由はこちらの記事へどうぞ!

www.oragamati.com

アメノフトダマノミコトの豆知識

awajinja-amenohutodamanomikoto

安房神社拝殿

天太玉命は注連縄や玉串を作った

天太玉命はモノを生み出す力を持っているとご紹介しましたが、一体なんでそんな話が出てきたんでしょうか。

 

皆さんは、日本神話の「天岩戸」事件を知っていますか?

 

天照大御神が須佐之男命の横暴さに腹をたてて、洞窟の中に隠れて出てこなくなったというお話です。

 

この中で、踊って天照大御神を誘い出した天鈿売命(アメノウズメノミコト)や、ちらっとそれをのぞき見した天照大御神を引っ張り出した天手力男命(アメノタヂカラオノミコト)は有名ですが、その場面に天太玉命がいたことはあまり知られていません。

 

では、そこで天太玉命は何をしたんでしょうか。

 

天太玉命は、天岩戸に隠れてしまった天照大御神をそこから出すために、占いをしたり榊に勾玉や布をたくさんくっつけたものなんかを振り回したり、鏡を作ったり、天照がいかに美しい偉大な存在かを説いたりしました。

そこに天鈿売命がここぞと踊り、出てきた天照を天手力男命がひっぱります。

そして、天太玉命が事前に用意してあった縄を、出てきた穴にかけ、天照が再び穴に戻れないようにふさいだのでした。

 

つまり、天岩戸の前で神様のために色々作って気をひこうとしたわけですね。

 

天太玉命がものを生み出す力があるというのは、ここから来たんです。

 

またこの時に作られた布をたくさんつけたものが「玉串」へ、穴をふさいだ縄は「注連縄」へとなったとされます。

布の原料となったものは「麻」や「楮(こうぞ)」で、天太玉命はこれらの守護神とも言われています。

 

ちょっと話はそれますが、阿波や安房での開拓で植えられたものは「麻」や「楮」とされますが、それは天太玉命の系統であるという象徴の一つだったからとも言えます。

 

実際に両国でどんな開拓が行われたのか明確な史料は残されていません。

天太玉命の孫が行った開拓であるという権威づけに使われたお話と思った方がしっくりきますね。

 

こうした天太玉命が開発したアイテムは、神社の御神体となる鏡であったり、玉串、注連縄など、なくてはならないものとして発展して行きました。

この管理を行ったのが、天太玉命を祖とする「忌部氏」です。

 

天岩戸で活躍した天鈿売命や天力男命のように、あんまり有名になれなかったけど、実は神社やその祭祀になくてはならいものを生み出したすごい神様なんですよ。

 

これで皆さんの中にすこしでも天太玉命が印象に残ってもらえればなぁと思います。

 

どうぞ、安房神社でその御利益にふれてみてください。

安房神社の秘密のご利益

実は安房神社には隠れたもう一つパワーがあります。

 

それは天岩戸の中で出てきた天太玉命作の「注連縄」由来のものです。

ここからは神様の領域、ここからは一般人の領域といった具合に、注連縄は「神域」を作りますよね。

 

つまり、神聖な領域を不浄のものから守る力があるということにつながります。

これが悪霊をふせぐ力で、天太玉命は災難除け厄除けの神様とも言われる由縁。

 

まずは清め祓うことが神社では大事とされますので、悪いことを祓ってもらいつつご利益を手に入れられるなんてすばらしい神社じゃないでしょうか。

関連神社

sunosakijinja

洲崎神社

安房神社の歴史は古いので、南房総にはそれに関連した神社がたくさんあります。

その中でも特に重要な神社をご紹介します。

后神の神社

安房神社の近くには、奥さんである天比理刀咩命(アメノヒリトメノミコト)の神社が二社あります。

洲宮神社と洲崎神社です。

 

二人奥さんがいるのではなく、両社とも同一神を祀っています。

論社と言われ、どちらが正式なものか決定打のない神社たちのことをいいます。

一説では洲崎神社が本宮で、洲宮神社が奥宮とも。

洲宮神社

洲崎神社

2社とも歴史があり、なおかつ関連の深い神社なので、安房神社を訪れる際には一緒に参拝してはどうでしょうか。

天太玉命の神社

安房神社の他にも天太玉命を祀り神社があります。

 

  • 天太玉命神社(奈良県橿原市)
  • 大麻比古神社(徳島県鳴門市)
  • 大原神社(千葉県君津市)
  • 洲崎大神(神奈川県横浜市)
  • 金札宮(京都府京都市)
  • 天津神社(新潟県糸魚川市)
  • 粟井神社(香川県観音寺市)
  • 五社神社・諏訪神社(静岡県浜松市) などなど

 

麻の神様として信仰されていたり、忌部氏に関係あるところなどに多いようです。

 

地元の神様が色々なところにいるなんてワクワクしますよね。

機会があれば行ってみたいものです。

 

 

以上。

「おらがまち」まちこでした。

 

< 参考文献・サイト >

「日本の神様」がよくわかる本

 

*1:※9世紀前半(868年頃)に編纂された法律の注釈書(令集解りょうのしゅうげ)