こんにちは。
弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。
今回は歴史の勉強について。
といっても結構マニアックで、一般的な勉強法ではありません。
しかも、どちらかというと、歴史を専攻し、さらにわたしのように文化財保護や学芸員になりたい人、なった人、考古学など仕事にする人、したい人、趣味でやっている人などに知ってほしい「博物館活用術」。
飾ってあるものを見るだけでOKです。
それでは早速!
誰も手取り足取りしない
これは大学経験者や、独自に考古学などを勉強されている方なら痛感されていることではないかと。
誰も手取り足取り、歴史や考古学や文化財のことなどの教えてくれません。
大学に行けば先生(教授など)がいるじゃないかと思われるかもしれませんが、大学の先生たちは、ぶっちゃけ教育者ではありません。
大学の先生たちは大学側からお願いされて、その大学の先生となり生徒たちに教えているだけです。
だから、教員免許を持っていなくてもなれます。
じゃあ大学の先生は、ちゃんと教えてくれないのか?と思いますよね。
いやいや、そうではありません。
教授たちは真摯に生徒に接してくれます。
進路のことや、テストや卒論のことなど、いろいろ指導してくれます。
でも
先生達は「自分の専門知識」をもとに生徒の指導にあたります。
例えば、考古学の専攻の先生が、民俗学をこと細かに解説してくれることはありません。
なぜなら専門外だから。
先生たちはも自分の知識を与えることはしますが、それ以外のことは生徒自ら学ばないといけません。
誰も教えてくれないんです。
しかも、大学の教授たちや専任講師は、自分の専攻の分野で論文を書いたり仕事をしたりしていて、そりゃもうめっちゃ超忙しいのです。
その合間をぬって、生徒指導をしているのだからありがたい話です。
指導のある大学ですらこうなのだから、個人的に趣味で考古学や文化財ことを学んでいる人はもっと大変。
自分でやる以外選択肢がないのです。
だからたくさん本を読んだり、どっかのフォーラムに参加したりしているって?
すばらしい!
でもでも、実は本やお話だけでは足りないことってたくさんあるんです。
経験値を上げる
それは経験値です。
例えば、わたしが考古学を専攻していて、木の棒を発掘したとします。
「あ!昔のお箸が出てきた!」
と、わたしは思うでしょう。
でも、経験値のある先生だったら
「それは糞ベラかもよ」
というかもしれません。
昔はトイレットペーパーなどはありませんでしたから 、木の棒でウンチを拭き取っていました。
でも、これ、今のわたしたちの発想にはありませんよね。
経験値のある先生は、なぜそういう発想が出来たのか。
それは、その先生自身がその経験をしてきたから。
現代人はトイレットペーパーが当たり前ですが、そうじゃなかった時って随分最近のはなしなんです。
これは
の一節を簡単に紹介したものです。
著者の高倉先生は、考古学専門の先生です。
この「お箸」と「糞ベラ」のお話があんまりにも面白くて、こちらに書きましたが、確かに経験しないと知らないことですよね。
先生は本の中で、ご自分の失敗談などを書かれています。
昔、考古学の世界で、捏造事件があったことをご存知でしょうか。
その時から、変に「失敗や間違いを恐れる風潮」が出来てしまったそうです。
わたしもあの事件は衝撃的でしたから、考古学関連の仕事をしている人はそりゃすごい衝撃だったでしょう。
だから、高倉先生はあえて失敗談を掲載したんだとか。
失敗を恐れて考えることをおろそかにしてはいけないとともに、そう思うのであれば経験値を上げる必要があるともおっしゃています。
では「経験値」はどうやって上げるのか。
それは経験するしかありません。
博物館や資料館をあなどるな
経験するのに「糞ベラ」体験をしようって?
もちろん、体験することに勝るものはありません。
でも、現代ではそれが出来ない事も多々あります。
では何ができるのか?
とにかく「見る」ことです。
博物館や美術館は経験値を上げる
博物館や美術館に行って、何か感じることはありますか。
仏像や絵画や、土器なんかを見て「へ~」と思うだけでしょうか。
次の日になったら、すっかり忘れちゃいます?
それでもいいんです。
でも、その時に経験したことはそれだけではないはずです。
例えば仏像を見た時、写真と比べて「想像していたよりもずいぶん小さいな」とか「大分傷んでいるな」とか「指が一本ない」とか、色々感じるはず。
小さなことですが、それが経験値の一つになります。
もし実物を見なければ、写真の情報しかないですから。
博物館や美術館は、敬遠されがちな場所ですが、そこには色々な情報がつまっています。
学芸員や歴史を専攻したいと思っているなら、経験値を上げるためにどんどん博物館や美術館に行きましょう。
学校の校外学習で行くだけじゃ足りない足りない。
地方の資料館の醍醐味
そして、地方にある市町村が運営している資料館。
ものすごく行きづらいですよね。
はい。
わたしもそう思います。
人もいないし、博物館とも違うし、規模も小さいし、見どころなんて全然ないんじゃない?おもしろくなさそうだし。
いや、おもしろいです。
ホントにこの歳になってからですが、地方の資料館って面白いです。
大きな博物館には貴重なものがたくさんあり、大変みどころも多い。
でも、地方の資料館の醍醐味って、すごく「親近感」がある。
自分の知っている土地の、しかも住所までわかっているところの土地から出土したものや、ご近所のひいおばあちゃんが使っていたかもしれないものが飾られていたりして、身近に感じることがたくさんあります。
「ええ!そうだったんだ!」という発見があって実に面白い。
すんなり頭に入ってくれます。
地方の資料館こそあなどってはいけません。
こうした博物館や資料館で経験することは、実体験ではありません。
でも、実物を目にした経験となります。
そしてわたしが木の棒を発見し、こうした経験をもとに「お箸」か「糞ベラ」かと思ったことで、周りにある遺物の存在も重要なものとなってきます。
経験があることで、発想力は格段にアップ。
博物館などで学んだことは、歴史の勉強をしている中や、発掘作業の中、また趣味の郷土史などに大変役立ちます。
ただ飾ってあるものを見るだけですが、これだけで勉強になるなら、行かないわけにはいきません!
ちなみにまちこが、博物館で一番の衝撃を受けたのは「日本刀」の重さ。
時代劇のようにぶんぶん振り回すなんて、本物の刀なら絶対出来ないな~なんて、経験しないとわからないですよね。
博物館で学ぶということ~まとめ~
おかしなことにわたし自身、当事者でなくなるといろんなことを知りたくなるという。
このブログの中で学芸員の記事を書いたりしていますが、学芸員を目指していた当時はやる気も気力も全くないグータラ人間でした。
自分でいうのもなんですが、当時より今の方が精力的動けている気がします。
しがらみがないですからね。
以前までは地方の郷土資料館なんていったこともなかったんですが、最近俄然おもしろみを感じます。
だって、その地域のその場所にしかないものが飾ってあるんです。
また、日本の文化財が海外に流出してしまっていたとしても、レプリカを博物館で展示していることがあります。
飛行機に乗って本物を見に行かなくても、日本国内で済ませられるってすばらしくないですか?
そう思うのはわたしだけか?
まだまだ自由に動ける時間は少ないですが、余裕が出来れば博物館にも美術館にもたくさん行きたい。
もちろん資料館も。
でも貧乏暇なしだからなぁ。
お金が天から降って来ないかなぁ。
学芸員や考古学、歴史の勉強をもっと充実したものにしたいと思ったら、本だけじゃなく経験値も上げてあげてくだいね。
わたしはもうすっかり、おさらばの世界ですが、これから入ろうと思っている人、今の自分の知識だけでは満足できない人。
博物館で学ぶことってたくさんありますよ。
以上「おらがまち」まちこでした。
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同志たちよ、いざ行かん!