おらがまち

歴史大好きまちこ主催!弱小「文化財」応援ブログ!

地獄ってどんなところ?身近な地獄絵図を見に行こう!

スポンサートリンク

こんにちは。

弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。

 

どの宗教でも、万国共通、世界各地には「地獄」という世界があります。

もちろん日本にも。

 

日本は「仏教」から多くの影響を受けた「地獄」がありますが、一体どんなところなんでしょう。

なんでわたしたちは「地獄」を想像することができるんでしょう?

 

今回は、この「地獄」について詳しく解説したいと思います。

 

それでは早速!

地獄ってどんなところ?

jigokutoha

「地獄地獄」というけれど、一体どんなところ?といわれると「ん?」ってなります。

 

一言でいうなら「悪いこと、よくないこと」をすると、死んだ後落とされるところって感じでしょうか。

 

これはどの宗教、世界共通の考え方です。

悪いことをする

ではでは「悪いことをする」「よくないことをする」ってのはどんなことでしょう。

 

実は、ここが大きな分かれ道となります。

 

「地獄」という世界は、世界に共通してあるのですが、どういった理由で落とされるのかというのは、その宗教や国によって多少の違いが出てきます。

 

日本の地獄は、仏教から大きな影響を受けているので、仏教の「悪いこと」「よくないこと」で地獄行かそうでないかが決まります。

 

仏教でいう「悪いこと」は

  • 殺生・・・人だけでなく、虫なども含める
  • 盗み・・・ものを盗むこと
  • 邪淫・・・みだらなこと
  • 飲酒・・・お酒を飲むこと
  • 妄語・・・うそをついたりすること
  • 邪見・・・邪悪な考えをもち、それを人々に広めようとすること
  • 犯持戒人・・・まじめに修行をする女性などを誘惑したりすること
  • 父母・阿羅漢殺害・・・阿羅漢とは聖職者。仏教ならお坊さんなど

とされています。

 

「嘘ついたりすると、閻魔さまに舌を抜かれるよ!」と昔は怒られたりしましたが、まさにそれ。

 

嘘をつくことは悪いこと。

悪いことをすると、地獄に落とされるよ。

 

という、戒め(いましめ)(こらしめること、警告すること)で、子供たちの躾(しつけ)ていたわけですね。

 

仏教ではこのようなことが「悪いこと」と定められていました。

 

地獄で罰をうけ、反省し、何年か服役すると、再び転生(生まれ変わる)することが可能となり、脱地獄となります。

 

では、他の宗教ではどうかというと

キリスト教

神様を否定したり、悪いこと(人殺しなど)をして反省しなかったり、慈愛(神様からの恩恵など)を受けなかったりすることで、地獄に落とされれます。

 

神様の怒りに永遠に服役する場所で、仏教のように生まれ変わって解放されることはありません。

 

うう、きびしい。

イスラム教

キリスト教や仏教同様、生きている時に罪を犯した人はもちろん、イスラム教を信じていないこと自体が罪とされ、即地獄行が決定してしまいます。

 

 

ただ、よ~っぽど悪いことをしない限り、地獄には落ちないのがイスラム教。

普通に生活していればOK。

 

 

などなど、宗教によって、さらには国や地域など、さらに細分化された場合はもっと細かく規定が分かれますが、だいたいこんな感じです。

※細かくやりする過ぎると、「最後の審判」がどったらこったらという話になってしまうので、至極簡単な解説です。

八大地獄

ではでは、仏教の「地獄」を細かく見てみましょう。

 

地獄は全部で8こ。

 

階層でいうとこの番号順で、どんどん深くなって行きます。

それに比例(どころじゃない)、いやいやそれ以上に罰の重さも大きくなっていくのが特徴。

 

では簡単に見てみましょう。

1、等活地獄(とうかつじごく)

罪名:殺生

罰の内容:罪人同士で傷つけあう、もしくは鬼に鉄の杖や棒で叩かれたり引き裂かれる。基本鉄道具刑。

罰の軽度:普通

服役期間:1兆6653億1250万年

2、黒縄地獄(こくじょうじごく)

罪名:殺生、盗み

罰の内容:熱い鉄の罰が盛り沢山。熱い鉄ノコギリ、鉄オノ、鉄縄や、熱い鉄の山に登らせて、熱い鉄の荷物を背負って、熱い紐で綱渡りをさせるなどなど。

罰の軽度:等活地獄の10倍

服役期間:13兆3225億年

3、衆合地獄(しゅうごうじごく)

罪名:殺生、盗み、邪淫

罰の内容:様々なものあり。鉄の山や臼に潰される。刀でできた木で美女を追いかけ切り刻まれる。鳥や獣に食われるなど。

罰の軽度:黒縄地獄の10倍

服役期間:106兆5800億年

4、叫喚地獄(きょうかんじごく)

罪名:殺生、盗み、邪淫、飲酒

罰の内容:酒の代わりに熱した銅を流し込まれる。矢で射られたり、串にさされて火あぶりにされたりする。

罰の軽度:衆合地獄の10倍

服役期間:852兆1200億年 

5、大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)

罪名:殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語

罰の内容:様逆さづりにされたり、目や舌を抜かれたりする。針で口や舌を刺される。

罰の軽度:叫喚地獄の10倍

服役期間:6821兆1200億年

6、焦熱地獄(しょうねつじごく)

罪名:殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語、邪見

罰の内容:棒で叩かれ肉団子にされる。鉄の串に刺され火あぶり。ここの炎の熱さは今までの比じゃないそうだ。

罰の軽度:

服役期間:5京4568兆9600億年

7、大焦熱地獄(だいしょうねつじごく)

罪名:殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語、邪見、犯持戒人

罰の内容:とてつもなく大きな炎の中に落とされ、今までのすべての苦痛を味わう。そして、罰を受ける前に大焦熱地獄での罪人の様子を見せつけられ、恐怖をあおる苦痛がある。

罰の軽度:これまでの地獄をすべて合わせた苦痛の10倍

服役期間:宇宙が誕生して滅びるまでの半分

8、阿鼻地獄(あびじごく)

罪名:殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語、邪見、犯持戒人、父母・阿羅漢殺害

罰の内容:死ぬ直前から地獄の様子をみせられ、ここに来るまで2000年の時間をかける。さらに、ありとあらゆる責め苦で苦痛を味わう。

罰の軽度:今までの地獄のすべての苦痛の1000倍

服役期間:宇宙が誕生して滅びるまで

 

「阿鼻叫喚(あびきょうかん)」という言葉、これら地獄の名前から来ています。

想像を絶するようなむごたらしく壮絶な様子のことです。

罰の内容や苦痛の期間を考えると、本当に想像を絶するようなところですよね。

 

そして、この地獄ではどこでも、獄卒(ごくそつ)、いわゆる地獄にいる鬼に「生きよ」と言われたり、地獄の風が吹いたりすると、傷ついた体がもとにもどるという壮絶ブリ。

 

もう一回同じことやられます。

これを服役期間中ず~っとです。

 

おお、地獄には落ちたくない。 

地獄絵図の誕生

jigoku-ezu

仏教の使命は、とにかくたくさんの人に仏教を知ってもらうこと。

 

絵で説明したり、説法をしたりと、様々な形の布教活動があります。

 

他の宗教と違って、仏様の姿を彫刻で表したり、絵にしたり、具体的に教えてくれていると思いませんか?

それは、仏教が「誰でも簡単に」をモットーとしているからです。

 

なので、「地獄」という世界を教えるためにやっぱり「絵」を利用しました。

 

ここまで地獄を解説しましたが、文字だけってなかなかインパクトがないですよね。

だから、どか~んと一発、絵で解説すれば、字が読めない人でも一目瞭然。

まさに「百聞は一見に如かず」です。

 

この布教活動が大々的に行われるようになったのでは、平安時代末期。

でも、この時代、仏教はとんでもない「危機」の時代でもありました。

平安時代は大変

「危機」というのは、なにも日本だけで起きていた事態ではありません。

 

仏教の世界自体がピンチ。

なぜなら「末法」の時代にはいってしまったからです。

 

仏教では、釈迦が亡くなってからを3区分にわけます。

「正法(しょうぼう)」⇒「像法(ぞうぼう)」⇒「末法(まっぽう)」で、あわせて「三時(さんじ)」といいます。

 

正法は、仏教の教えがあり、それを実行し、悟る人がいる時期。

 

像法は、仏教の教えがあり、それを実行するけど、悟人がいない時期。

 

末法は、仏の教えがあるが、実行する人も、悟人もいない時期。

 

つまり、末法の時代には死後、誰も救済してくれないし、悟りも開けないし、安らかな死を迎えることが出来ない時代、というわけです。

 

日本では、1051年(永承6年)で像法の時代が終了するとされていました。

これが大体、平安時代末期にあたります。

THE「末法」時代突入です。

 

だから、この時代に日本の仏教は大きく発展して行きます。

 

「困った困った」「誰か助けてくれ」「仏様~」と、人々はこぞって南無南無し始めます。

 

これをもろもろひっくるめて「末法思想」と呼びます。

 

寺院の建築も盛んに行われ、その需要に合わせて仏像もたくさん作られ、新たな技法も生まれました。

運慶快慶、とか、有名な仏師はこの辺の時代に合わせて活躍した仏師たち。

 

また、あの平等院鳳凰堂もこの頃に作られています。

ちなみに鳳凰の姿に似せて作られたことで有名ですが、写真に写るのはいつも正面。

背面にも是非まわってみて。

ちゃんと「尾」の部分があります。

おもしろい形をした建造物なので、上から全身の姿の写真とか撮ってくれないかな。

 

で、貴族たちやお金を持っている人たちは、仏像作ったりお寺作ったりしてどうにか救われようとしますが、一般人たちはそういうわけにもいきません。

 

そうした人たちを救うために、多くの宗教家が出てきたのものこの時代。

曹洞宗(そうとうしゅう)の栄西(えいさい)、浄土宗(じょうどしゅう)の法然(ほうねん)、浄土真宗(じょうどしんしゅう)の親鸞(しんらん)、日蓮宗(にちれんしゅう)の日蓮(にちれん)、などなどなど、多くの人たちが全国各地で、一般人救済のために大活躍。

 

でも、どんなに素晴らしい本を書いても、説法を説いても、字の読めない、教養のない人にとってはなんのこっちゃわからない世界なわけです。

 

そして、これを解決させたのが「往生要集(おうじょうようしゅう)」という本でした。

地獄絵図のおかげ

この「往生要集」は、仏教の世界や極楽に行くための方法などを解説してくれている本です。

比叡山の源信(げんしん)というお坊さんが寛和元年(985年)書きました。

末法に入るちょっと前ですね。

 

極楽はこんなんだよ~、地獄はこんなとこだよ~、仏教の教えはこうだよ~、死んだらこうなるよ~、と教えてくれています。

 

これが大ヒットします。

 

だって、とっても読みやすかったから。

貴族のみならず、庶民にもバカ受けします。

 

そして、この「往生要集」をもとに全国各地のお寺で、地獄絵図や極楽絵図が描かれるようになりました。

 

これでさらに地獄や天国という世界観が一般化し、悪いことをしないようにしようとか、いいことをたくさんしようとか、庶民の間にも広がるきっかけとなりました。

 

わたしたちが小さいころ「嘘をつくと閻魔さまに舌を抜かれる」と怒られたのは、こうした流れの中から誕生した「躾け(しつけ)」の一つというわけです。

今でも身近な地獄絵図~まとめ~


絵本 地獄――千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵

「末法思想」とか、なんか難しいこと言っていると思われているかもしれませんが、これちゃんと高校の日本史で習っていたりします。

 

多分、サラッと流されてしまっている内容かもしれませんが、日本の仏教の最盛期を築いた背景には、こうした「末法思想」という宗教の影響があったからなんです。

 

日本史習っていて、平安時代後期から鎌倉時代前半って、やたら仏像の名前やら仏教家の名前が多く出てきましたよね。

また、有名な建造物もたくさん建てられました。

仏教にも様々な種類のものがありました。

 

その時代だけを切り取って見てしまうと、無駄に覚えることが多い時代。

で、終わってしまいますが、実はこうした背景があったんだというのを知っているだけで、宗教の見方が随分変わってきます。

 

おかげで、今のわたしたちも「地獄」という世界がどんなものかというのを知ることが出来ているのです。

 

それまでは、日本にある「地獄」という世界はあまり明確なものではありませんでした。

 

この時代に多くの文化財があることもまた、仏教の「末法思想」のたまものなわけです。

 

 

まちこの地元にも地獄絵図があります。

南房総市(旧三芳村)延命寺にあるもので、江戸時代後期、天明4年(1784)に作らた作品です。

毎年8月16日の1日だけ公開しています。

 

決まった時間になると、住職の解説があります。

(何回かチャンスあり、朝はとっても空いているのでおすすめ)

とってもためになるお話もりだくさんです。

 

わたしもこどものとき、そしてわたしのこどもも連れて行きましたが、その日は一日静かになるというおまけつきです。

 

そしてわたしも持っているこの絵本。

リアルで、そしてコミカルで、見ているだけで面白いです。

 

あんまりにもリアルでちょっとやだ、という人にはこちらがおすすめ。

それでもこどもは、手で隠してみていましたが。

 

これら地獄絵図は、全国各地のお寺にあります。

意外に自分のすぐ近くのお寺にあったりしますよ!

お盆の時期になると、公開されたりしますので、こどもの躾けや自分の戒めに行ってみるのもまた良いかと思います。

 

 

今回は「地獄」についてまとめてみました。

 

ちなみに延命寺は里見氏の菩提寺でもありますので、歴史に興味のある方は遊びにきてくださいね。

以上、「おらがまち」まちこでした。