こんにちは。
弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。
12月になるとクリスマスや年越し、お正月の準備に忙しくなります。
今回は、その中で「鏡餅(かがみもち)」についてちょっとした豆知識です。
実は「鏡餅」を飾ることも食べることも一種の宗教的な神事。
意外にわたしたちは、知らず生活の中に神事儀礼を行っています。
「鏡餅」に隠された本当の意味と由来についてのちょっと難しいけど納得のマニアックネタです。
それでは早速!
鏡餅(かがみもち)とは
歴史は?
平安時代の「源氏物語」には、お正月に子供の歯固めのために鏡餅を用意したとかかれています。
「餅」自体はそれよりも前からありましたが、「お正月の鏡餅」として登場するのは奈良・平安あたりではないといわれています。
原型ができたのは室町時代で、江戸時代に入りわたしたちが想像する鏡餅へ。
なんで鏡餅っていうの?
昔の鏡は丸くて、それに似たお餅だったので鏡餅といわれるようになりました。
今でこそもちもちやわらかいお餅。
でも昔はついた直後こそやわらかいですが、徐々に乾燥し固くなるのが普通でした。
なので「鏡の様に固い」って意味も含まれています。
平安時代などは、子供の歯固めのために使用されていたようで、かなりの硬さです。
また、お餅は神様へのお供え物として古代から重宝されてきました。
神社の御神体に鏡がおかれていることがありますが、こうしたことから神様の依代としての役割も担っていたようです。
良いことを届けてくれる年越しの神様「歳神(としがみ)様」が、宿るところとも、お供え物とも。
ちなみに大小二重にお餅が置かれるのは陽と陰を表しています。
飾り方にルールはあるの?
12月26日~28日の間に飾ります。
三方の上に半紙(四方紅)、裏白(シダの葉っぱ)、鏡餅、御幣、橙を置きます。
基本はこの形ですが、地方によって様々な形があるのも鏡餅の特徴。
おばあちゃんに聞くのが一番かな。
お供えする場所は家の大事なところです。
神棚をはじめ、火を使う台所、ものの入り口である玄関、穢れを流すトイレなどが良いとされます。
鏡開きってなに?
飾った鏡餅は1月11日に下げ、飾っている間に固まったお餅を割って砕く作業がありました。
この砕く作業を「鏡を開く」といい、これを食べるまでの一連の流れ「鏡開き」といいます。
新年にやってきた年越しの神様「歳神(としがみ)」様のご利益が宿ったお餅を食べて、新しい力をもらうという儀式でもあります。
ご利益をもらうために必ず食べましょう。
お米は神聖、それを突き固めたお餅は最強
いわずもがな、お餅はお米から出来ています。
お米や豆などの穀物は、たった一粒から何百何千という実をつけます。
昔の人はここに生命のエネルギーを感じ、神聖視するように。
なので、お米からできるものはなんでもすごいってことになります。
お酒はお米の凝縮した液体。
お餅はお米を突き固めた塊。
お酒は神社の神事には欠かせないものですし、お餅はお正月の鏡餅に限らず、節句やお盆など節目節目に登場する食べ物ですよね。
いずれも凝縮されているので、この2つは最強なんです。
また、稲は「稲魂(いなだま)」や「穀霊(こくれい)」といわれ、人に力を与えてくれるものとして信仰されてきました。
鏡餅にはこの生命のエネルギーと霊力が宿っているとして、お正月という年のはじめに力をもらい今年一年を元気に過ごせるようにという意味がありました。
ご利益をもらうために食べる!~まとめ~
現在では生活にあわせて色々な形の鏡餅があります。
切り餅をつめたプラスチックのもの、お餅を置かない木製やガラス製、陶器・珪藻土製の置物などなど。
確かにあのでっかい御餅を丸々食べるのって大変ですよね。
食べきれないうちにカビが生えてしまったり、食べ飽きてしまったり。
木製のもやガラス製のものをこの時期にちょこっと飾って、それで終わりにするってのもちょっといいかなぁ。なんて思います。
しかし、鏡餅の本当の由来をここまで読まれると、飾るだけではダメってことに気づいていただけたと思います。
まちこは断然食べて欲しいと思っています。
鏡餅は飾って食べることで完結します。
なので、なるべくなら小さくても構わないので二段の丸餅の鏡餅を、それがだめなら切り餅を詰めたプラスチック容器の置物を利用してみてはいかがでしょう。
また、毎年買うのが面倒だなぁって方にはこちらもおすすめ。
エコな鏡餅。
大きさが何種類かあって、サトウの〇餅1個分というのもあります。
お餅の部分が陶器になっていて、上にみかんでも置けば完璧です。
これはいいと思います。
「鏡餅」は古くから伝わる伝統文化でもあります。
現代に合わせて変わっていくのも、これまた文化の流れなのでいかんともしがたい現実でもあります。
また、伝統文化は普段意識することはなかなかありません。
「鏡餅」のように何気なく行っている行事の一つをちょっと意識するだけで、立派な文化の維持継承です。
お正月に行われているこの神事がずっと続けばいいなぁと思います。
以上「おらがまち」まちこでした。