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古事記と日本書紀の違い。どっちが古いの?どっちが正しいの?2つの書物の不思議。

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こんにちは。

弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。

 

今回は、「古事記(こじき)」と「日本書紀(にほんしょき)」について。

 

歴史の教科書にも載っているし、日本の神話を知るにはすぐに登場するこの2つ書物ですが、実は不思議なことだらけ。

 

誰が書いたのか。

いつかかれたのか。

どちらが古いのか。

 

ではでは、早速「古事記」と「日本書紀」をひも解いてみましょう!

いつ書かれたの?

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古事記と日本書紀は、日本の古代の「神々の神話」が書かれている。

 

わけではありません。

 

神話ばかりが先に行ってしまっていますが、歴代の天皇のことについて書かれている書物です。

決して、「神話」をまとめたのではなく、「歴代の天皇」「日本の誕生」について書いてる立派な書物。

 

日本書紀は日本に現存する最古の「正史」。

古事記は日本最古の「歴史書」

 

「正史」とは、「正しい歴史」ではなく国が認めた政治や国の正当性を記した書物のことです。

位置づけも立派なものではないですか?

 

2つが一緒に登場することが多く、合わせて「記紀(きき)」と呼ばれることもあります。

時代

作られた時代は、2つともごく近い時代です。

古事記

日本最古の歴史書である古事記は、和銅5年(712)に太安万侶が編纂し、元明天皇に献上されています。

 

ただし、現在原本は存在しません。

 

いくつかの写本があり、最も古いものは室町時代、いわゆる南北朝時代、建徳2年(南朝)/応安4年(北朝)(1371)から翌年にかけて写されたもの。

真福寺というお寺のの僧:賢瑜によるものといわれ、現在国宝に指定されています。

 

ほか複写されたものは、江戸時代ものもが多いです。

日本書紀

一方「正史」であった日本書紀は、舎人親王らによって養老4年(720)に完成しています。

 

古事記同様、原本は存在しません。

 

平安時代初期に写されたものがもっとも古いもので、結構な数の写本があり、いずれも国宝や重要文化財などに指定されています。

 

平安時代や鎌倉時代の複写本が多いのが特徴です。

書いた人

上記のように成立年代はごくごく近い時期のものであったのに、どうして内容が酷似したものが2つも存在したんでしょう。

 

鍵となるのは「同一人物」です。

 

そもそも、記紀はどういった経緯で作られたのかというと、当時の天皇、天武天皇が昔の歴史をまとめようじゃないかと提言したことから編纂が始まりました。

 

そしてその編纂に関わったのも天武天皇の関係者です。

古事記

古事記を編纂した人は太安万侶(おおのやすまろ)。

 

太安万侶は、当時の文官(軍人でない役人さん)でした。

古事記は、彼が稗田阿礼(ひえだのあれ)という、口伝えで日本の歴史を覚えていた人物のはなしを聞いてまとめたものとされています。

 

そして出来上がったものを元明天皇に献上します。

元明天皇は、天武天皇の息子:草壁皇子の奥さん。

 

古事記の冒頭には、「天武天皇の命令でバラバラだった歴史をまとめてみたよ」と書いているので、古事記も正史という説もあります。

日本書紀

日本書紀を編纂したのは舎人親王(とねりしんのう)。

親王というくらいなので、もちろん皇族。

しかも、記紀編纂を命じた天武天皇の息子です。

 

一応、国の命令による書物なので、信頼性の高いものとされます。

 

しかし、「歴史は勝者」が作るものなので、事実とは違う点などもあるでしょうし、「正確性」という観点から見ると疑わしいところも多々あります。

 

 

そして、この日本書紀の編纂に古事記を編纂した太安万侶も参加しています。

 

つまり、先に完成した古事記を書いた人物が、日本書紀にも関わっていたことになります。

「同一人物」が記紀の編纂をしていたんです。

 

2つの書物の内容がこれだけ似ているのは、太安万侶という人物が両方の書物に関与していたため、とうわけです。 

古事記と日本書紀の不思議

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そして、日本書紀と古事記には不思議なことがたくさんあります。

 

内容は、両方ともすごく似てるんです。

 

でも、細かく読むとちょっと違ったり。

この時代にこの考え方はありなのか?といった疑問点もいっぱい。

日本書紀+α=古事記

歴史学的には、文書の記載年を素直に解釈すれば「古事記」⇒「日本書紀」という順に成立しています。

 

そして内容も2つとも似たり寄ったり。

 

それは先にもお話したとおり、編纂に同一人物が関わっていたから。

そりゃ似ますよね。

 

でも、日本書紀には載っているけど古事記には載っていない神様、とか、古事記ではかかれている伝説が日本書紀ではすっぽり抜けてしまっている、なんてのもあります。

 

じゃあ、どちらが正しいのか。

というと、それは「わからない」としか言えません。

 

しかし、内容を大筋で解釈すると、日本書紀の本文とその他諸文を合体させると古事記が出来上がるそうです。

また、神話の後のお話の中の外交問題でも、古事記はこちらを日本書紀はあちらを、と支持する国も違ったりします。(「この一冊で「日本の神々」がわかる!より引用)

 

そのため、「古事記」⇒「日本書紀」という成立順ではなく、「日本書紀」⇒「古事記」という成立順ではないか、という考えもあるそうです。

 

日本書紀というものを知っているからこそ、古事記のあの内容が出来たほうがしっくりくるんだとか。

さらに、古事記の成立年は、大分後世であるという見解もあります。

 

いずれにしても、両方原本が存在しませんので、なんとも言い難いところ。

当時の権力闘争の結果の書物でもあるでしょうから、真実はどうであれ、結構激しい国の内政事情があったんだろうことは伺えます。

 

同じ関係者が編纂しているのに、肝心なところで抜けや変更があるのってやっぱり不思議ですよね。

 

だから、なにかしらの理由があるのは確かだと思います。

 

ただ、正史は「日本書紀」なので、当時のことを知りたいのなら、こちらをベースに考えるのがいいのかなぁと個人的には思います。

どうして古事記の方が有名?

そして、日本の古代の神話というと「古事記」と答える人が圧倒的に多いです。

 

それはなぜか。

 

江戸時代に「古事記」に関する論争が色々起きたためです。

これにより古事記は日本書紀より有名になります。

 

一般人にもその内容が知れるようになり、日本の古代や神話を知る資料として世に広まりました。

 

本居宣長(もとおりのりなが)は、その第一人者。

江戸時代の学者さんで、教科書にも載っている人物です。

 

この本居宣長は、日本の文学の発展に大いに貢献しています。

万葉集とかもまとめてますしね。

 

論説内容を簡単にいうと、「古事記」を中心に日本神話をまとめ、正史である「日本書紀」をその副読本としたものでした。

 

江戸の人たちは大いに面白がってこれを受け入れたようです。

だって正史が副読本になったんだから。

だからこそこれだけ世間に広まったというわけです。

 

この流れから、わたしたちは「日本神話」=「古事記」、「古事記」が本筋と思っているんです。

 

そしてこれは明治時代に入っても変わりませんでした。

さらには現在に至っても。

さらにさらに、古事記を疑うのはタブー的な暗黙の了解ともいえる風潮もあります。

 こういったことから、記紀の研究はぬる~い。。。

 

不思議ですよね。

どちらも読むのは面白くない~まとめ~

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そして、この2つの書物。

どちらも読むのは面白くありません。

 

神話部分ならまだしも、冒頭はただダラダラと書き連ねているだけだし和歌が入ったりで、面白味もなんともありません(個人感想)

 

とくに原文の直訳を読むなんて、よっぽどの専門家や専攻でない限りおすすめしません。

わたしもチャレンジしましたが、断念しとります。

 

どうしても読みたいなら

のマンガなど をおすすめします。

 

日本書紀は、おもしろいことにあんまり漫画化されていません。

でも、ないことないですよ。

など、いくつかありますが、古事記に比べて圧倒的に少ないです。

やっぱりこの辺にも「日本神話」=「古事記」という考えが、わたしたち日本人にはあるようです。

 

こういうとこも面白い。

 

名前の表記の仕方や序文の入り方が多少違うだけで、2つとも大体同じ内容ですので、両方読まなくてもどっちかでOK。

 

ただし、古事記と日本書紀の違いを細かく知りたい場合は、絶対にそれぞれ読まないとダメです。

 

そこから古代の闘争の様子が見えてくるのですが、それは

こちらの本で詳しく解説されています。

大変面白い解釈ですよ。

 

 

日本の神話というと、真っ先に古事記を思い浮かべますが、実は日本書紀の方が正史。

歴史大好きでもない限りあまり知らない事実ですよね。

でも、歴史の勉強ではちゃんと習ってたりする。

 

これをきっかけに、日本書紀にも興味を持ってもらえたならうれしいです。

 

歴史を知るには、「日本書紀」。

神話を知るには、「古事記」。

といったところでしょうか。 

 

以上「おらがまち」まちこでした。