おらがまち

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折り紙がとにかくすごい!日本人は昔から生活の中で脳トレしてきた!

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こんにちは。

弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。

 

子供の頃折り紙をして遊ぶことがあったと思いますが、実はこの「折り紙」には素晴らしい効果が秘められています。

 

指先の運動とそれに連動した脳のトレーニングです。

 

今でこそ健康の一環やこどもの脳トレで注目されていますが、「折り紙」を折る動作は日常生活の中にも隠されている動作の一つでもあります。

 

例えば洋服を畳んだりすることも折り紙の延長だったりするって知ってましたか?

 

早速見てみましょう!

折り紙は日本独自の文化

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歴史

折り紙の歴史は「紙」という文化と同時に始まりました。

それは、7世紀初め飛鳥時代の頃。

 

大陸から「紙」の製造方法が伝わった頃は、仏教もともに伝来してきた時期でもありました。

 

仏教は「経典(きょうてん)」を書き写したり、読経したりします。

必然的に紙の需要は増えて行き、さらに紙の性能の向上にもつながって行きました。

 

そしてこの流れの中で「和紙」が誕生。

 

薄くて破れにくい和紙の登場によって、日本の生活の中に紙がどんどん普及して行くようになりました。

 

やがて、室町時代になると「折りたたみ」の礼法をまとめる一派が出現します。

こうして熨斗や紙で包むやり方などが整備されていきました。

 

今の折り紙や包装の文化のおおもとが出来上がって行った時代でもあります。

 

一般に普及しはじめるのは江戸時代。

 

この時になると、紙の産出量は一気に増えます。

 

「折り紙」という遊びが受け入れらるようになるのも江戸時代になってから。

 

寛政9年(1797)には世界で最も古い折り紙の本「秘傅千羽鶴折形」が出版されています。

明治時代に幼児教育の一環に

明治維新を迎え、明治政府が日本の近代化を目指す中で、この折り紙は教育の一環として取り入れられるようになりました。

 

ヨーロッパにもあった伝統的な折り紙の文化と、日本の折り紙の文化が合わさって、この後の日本の折り紙に大きな影響を与えた時期でもあります。

 

これは西欧諸国に追いつきたい一心から、ドイツの教育家が幼児教育によいとして明治政府とともに普及させたことがはじまりでした。

 

その後、小学校の義務教育の教科書にも載るようになり、「日本の文化を教えたい」というよりは「外国もやってるから」という考えであったようです。

 

いずれにしても、この教育方針のおかげで「折り紙」は日本人の誰もが触れ、習う環境へとなっていきました。

 

ちなみに江戸時代は、折り紙は寺子屋の必須科目。

 

第二次敗戦後に教科書からなくなってしまった折り紙ですが、現在再び注目を集める存在となっています。

日本の生活には「折り紙動作」がたくさん

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「折り紙」はなにも紙を折る事だけではありません。

 

普段の生活の中にも、その動作はたくさん隠されています。

その1、洗濯物(小物もたたむ)

主婦の方なら毎日やっているこの動作。

 

これも折り紙の動作の一つです。

 

タンスや衣装ケースにしまうのに、大きさを考えながら、さらにはしわになりにくいようになどど、結構工夫しながら洗濯物ってたたまれています。

 

 

ここでちょっと外国に目をむけてみましょう。

 

外国のタンスといえば「クローゼット」。

これは服をかけておくための便利な家具です。

かけておけばOKです。

 

うらやましい。

 

でも日本はタンス。

服をたたまないと収納できません。

 

たたまないと収納できないので、たたまざるを得ません。

 

奥さん。

あなた毎日脳トレしてますよ。

その2、布団(大物も関係ない)

今はベッドが多いかもしれませんが、それでも布団文化は健在です。

 

これも折り紙の動作。

 

布団を押し入れに入れるために、布団を三つ折りにする。

シーツも一緒にたたんでしまう。

 

大きくたって関係ありません。

 

むしろ大きいものをいかにきれいにたためるか!と思ってしまうことも。

あるあるでは?

その3、四角が好き

ほかにもこちら。

折ることから少しだけ離れてみます。

 

折り紙の基本となる紙は四角です。

 

この四角を基準に、三角に折ってみたり、円形にさせてみたり、上手に紙を変形させるのが折り紙の醍醐味。

 

日本の風景の中には、この四角を基準にしたものがかなり多いんです。

しかも、整然と並ぶのが特徴。

 

折り紙もぴっちり整然と折りたたまないと、最終的な形にたどり着くのはとっても大変。

まだまだ小さな子供たちだと、鶴一つおるのも一苦労です。

 

この整然とした四角で、思い出されるのは田んぼ。

 

ほかにも畳や障子、襖なんかもそうですね。

その4、収納術

あとは収納術。

これも折り紙に通じるところです。

 

外国の文化は、見せることでインテリアとしてそのものが確立されています。

しかし、日本の家はものを収納して隠すことで生活しています。

 

だから、限られたスペースに収納することをモットーに生活をしているため、ものを見せつつインテリアとすることが苦手です。

 

多分、みんな見せないように見せないようにって心掛けてませんか?

 

それはあなたが日本人だからです。

だからこそ、日本人は諸外国の見せる文化に憧れてしまうのです。(でも上手くいかない!)

 

限られたものを、限られたものへ、限られたものから、という発想は、一枚の紙をどう使おうと考える事にも通じています。

その5、包装文化

そして「包装」。

 

この「包装」も中のモノをみせない、上手に納める、大事にするといった意味合いから出来たものです。

 

あの折り方たるや、もはや折り紙の文化を通り越して「包装文化」として確立しています。

 「風呂敷」や「包装用紙」など、紙に限らず布製のものもありますが、いずれにしても折る・たたむことで包装をさせます。

 

以前どこかのテレビ番組だったと思うのですが、日本人と外国の方に包装用紙でくるまれたプレゼントを渡し、それをどう開けるか?という実験していました。

 

どうなったと思いますか?

 

そこに登場した外国の方は、躊躇なくビリビリと包装用紙を破って中身を取り出しました。

 

でも、日本人はシールで貼られた包装の止め部分をそっと剥がし、さらに折り目にそって包装用紙を広げ、まずその包装用紙をぴっちり折りたたんだんです。

 

これは、それぞれ目的が違うから起きた現象。

 

プレゼントの最大の目的は「中身」です。

でも、日本人にとっては外装もプレゼントの一部。

 

外装も大事なものとして捉えられているのがよくわかる実験でした。

 

そして、その包装用紙をまた何かで使おうと思う。

 

そう思ったあなた、正真正銘の日本人ですな。

 

 

 

このように限られたものから、美や徳を得ることが日本人の特徴。

折り紙も一枚の紙から、モノを生み出しますよね。

 

折り紙の文化は、日本人の特性が生み出した日本ならではの文化なんです。

 

きっちりしたものがいいのは、日本の木造建築様式にも表れています。

日本建築はとっても面白い。

興味のある方はこちらの記事へどうぞ!

 

www.oragamati.com

 

 

おりたたむことの歴史と意味~まとめ~

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 「たたむ」「折る」は同義です。

紙であろうが布であろうが「折りたたむ」ことは、わたしたち日本人の文化に通じるところがあります。

 

今や「ORIGAMI」として世界に普及している日本を代表する文化。

そして、その幾何学的な構造から数学的な研究も行われているそうです。

 

さらには宇宙学でも応用されていて、ロケットに搭載されたりする。

 

宇宙に行くには限られた大きさスペースしか用意することができません。

そのため、小さくたたんだものを宇宙で大きく広げる有用性から、折り紙の技術が応用されています。

 

「折り紙」をあえて折るのもとても楽しいですし、「折り紙」なんか普段やってないよと思っても、意外に生活の中に浸透している文化でもあります。

 

普段は気にしないけど、こうして見返してみると、大変面白く、興味を引かれる文化でもあります。

 

このような普段は気にしない小さな日本の文化を感じてもらえたら幸いです。

 

 

というわけで、今回は「折り紙の歴史」についてでした。

 

以上「おらがまち」まちこでした。