こんにちは。
弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。
神社がパワースポットとして話題に上がるようになると、いろいろな形での参拝が増えてきました。
とくにペットと一緒に神社に行く方多くなったのではないでしょうか。
神社でペットとご利益をともにしたいという、飼い主さんの気持ち、神社さん側もちゃんとわかっています。
でも、気持ちだけではどうしようもないことも多々あります。
今回は、このペット同伴の神社参拝できをつけることを、神社の歴史からみつつまとめてみました。
ではでは早速いってみましょう!
ペットとの神社参拝
家族同然のペット。
もちろん病気になったら早く治って欲しいし、ケガばかりしていたら厄払いしてあげたい。
いいお嫁さんやお婿さんを迎えてあげたい。
一緒に観光に来たのだから、ペットにも神社を散策させてあげたい。
わたしたちと同じように、愛するペットのために何かしてあげたい、一緒になにかしたい、と思います。
でも、神社に限らず「ペットお断り」というところはどこでもあります。
飲食店やデパートなどなど。
食品を扱うところや屋内の場合は、禁止されていることが多いですよね。
では、神社は屋外だし、ウンチの始末や吠えたりするマナーさえ守れば、参拝してもいいのでしょうか。
基本問題なし!
これ、基本問題ありません。
ペット同伴OK。
なんせペットのための祈祷やお守りの授与をしている神社もあるくらいなので、ペットが神社にいってもなんの問題もありません。
ほかにも動物を祀った神社や縁のある神社もあります。
よく知られているのは
猫神社
宮城県の石巻の沖合にある田代島。
ここにある猫神社は、猫にもその家族にも効果絶大といわれているパワースポットです。
この田代島は、猫島といわれ人より猫が多い島として知られています。
猫が大好きな人たちの聖地としても有名で、この猫神社も超有名。
漁師が誤って殺してしまった猫を慰めるために建立した小さな神社ですが、大漁や富へのご利益があるといわれています。
⇒ 猫神社
今戸神社
東京都台東区にある神社で、招き猫発祥の神社でもあります。
江戸末期、あるおばあちゃんが可愛がっていた猫を貧しさゆえに手放すことになりました。
その猫が夢枕に立ち自分の姿を人形にしたらきっといいことがあると言ったので、おばあちゃんは猫が片手を挙げた人形を作り売ることにしました。
すると、あれよあれよと評判を呼び、たくさんの福を得たのでした。
ここから、片手を挙げた招き猫が生まれたといわれ、商売繁盛や招福のシンボルとして今も大事にされています。
おみくじも猫、絵馬も猫、社殿には大きなオスメスの招き猫が!
犬上神社(大瀧神社摂社)
滋賀県犬上群多賀町にある大瀧神社の摂社。
一見するとふつう~の神社ですが、この神社はペットと参拝できる神社の草分け的存在。
犬の七五三もやってます。
祀られるのは小石丸とその飼い主。
首を切られながらも飼い主を守った忠犬といわれ、家族である犬を守ってくれる神社です。
⇒ 大瀧神社
市谷亀岡八幡宮
東京都新宿区にあるペットの参拝OKを大々的に許可している神社。
ペットといっても幅広く、犬猫以外にも爬虫類や鳥類なども参拝にきます。
境内はいつも動物がたくさん。
さながらちょっとした動物園。
そして何よりも特徴的なのが、お守り。
迷子札にもなる鈴のお守りや、ペットと飼い主のペアの木札など、大変実用的なものがたくさんあって、飼い主さんはきっと迷う事でしょう。
動物だけでなく、歴史ある神社でもありますので、人間の神前式もやってます。
⇒ 市谷亀岡八幡宮
三峯神社
※残念なことに2019年7月1日よりペット同伴を禁止することとなったそうです。
盲導犬等の介助犬はOK。
埼玉県秩父市にある火伏の神として有名な神社です。
大変歴史のある神社で、開祖(神社を開いた人):日本武尊(ヤマトタケルミコト)を導いたのが犬(狼)であることから、犬の参拝OKな神社。
江戸時代以降に狼(犬)の信仰(御犬信仰)が盛んとなり、盗難除けや火除けとして崇拝されています。
一説には関東で最強のパワースポットとも。
⇒ 秩父 三峯神社
などがあります。
全国津々浦々を見ればもっとたくさんあります。
このように動物を祀る神社は色々。
動物と神社との関係は、全く遠い存在ではないことがよくわかります。
なので、必要最低限のマナーを守るのであれば、基本参拝しても大丈夫です。
ただし
それでも気をつけねばならないことがあります。
それは「神使(しんし)」との関係。
実は、知らないとペットの運を下げてしまかもしれません。
神使とは
「神使(しんし)」というと聞きなれませんが、「神様の使い」と言い換えれば誰でも知っているのではないかな。
その歴史は「日本書紀」にまで遡ることができます。
当初は神の使いというよりも、その神様と縁のある動物として登場します。
それがやがて、「神と神使」という関係が明確に定められるようになり、現在のような「神様の使い」という地位が確立していきます。
現在でも神社に行けば、その神様ゆかりの動物たちが飼われていたりします。
奈良の春日大社では鹿がたくさんいますよね。
あれ、「東大寺の鹿」でなく「春日大社の鹿」なんです。
ほかにも例えば、「蛇」。
弁財天の使いとしても知られ、よく白蛇として登場します。
白蛇のお財布とか、金運上がりそう。
でも、正確には神道的に「白蛇」は、諏訪大社の使いになります。
あとは、菅原道真、天神様の使いは「牛」。
そして一番有名なのは「お稲荷さま」。
「狐」の姿で登場しますが、あの狐は神様自身でなく、稲荷明神の使い「神使」になります。
お稲荷様のように「神使」が神格化したものなどもあり、ただ神の使いといっても、その霊力は絶大。
相性の悪い場合もある
それだけの霊力を持っている「神使」。
もちろん犬上神社のように、犬が祀られ、犬やその飼い主を守ってくれるから犬OK。
といった、単純な図式であることもあります。
しかし、種類もたくさんあるので、それぞれ動物同士の「相性」なんてものも出てきてしまいます。
例えばことわざで「犬猿の仲」なんてあります。
犬と猿のようにとっても仲が悪いことの例えです。
だから、もしその神社に祀られている神様の使いが「猿」だったら、「犬」のペットは行かない方が良いとされます。
「鼠」や「鳩」を祀る神社には「猫」は連れて行かない方がいいなどなど。
とはいえ、江戸時代には人間の代わりに犬があちこちの神社に参拝していたという記録もありますので、実際の動物を飼っている場合を除きそこまで気にする必要もないかもしれません。
しかし、本当に困るのは「神使」がいる場合。
よくあるのは神社で神使として「鶏」を境内に飼っていたりすることもあります。
とくに伊勢神宮系の神社に多い。
また春日大社なども鹿が公園にいたりします。
猿を飼っている神社などもある。
もし、ここに犬や猫などを連れて行ってしまうと、鶏を害してしまう可能性もあります。
まがりなりにも神使である鶏を傷つけてしまった場合、ご利益どころの話ではなくなってしまいます。
裁判ものか。
ペットを同伴して参拝するには、スピリチュアルな面だけでなく、こうしたリスクがあることも考えねばなりません。
ペット専門雑誌などでは、こうしたペット同伴OKなところの特集をしたりしていますので参考にするとよいです。
こんなにたくさんいる神使
それでは、ザッと有名どころの神使とその由来をご紹介します。
- 鼠・・・大黒天
大黒天(大国主)が鼠に救われたことから - 牛・・・天満宮
天神様(菅原道真)の誕生日、死去日が丑の日だったから - 虎・・・朝護孫子寺
本尊毘沙門天が聖徳太子に寅の年日刻に必勝法を授けたことから - 兎・・・住吉大社
創建が辛卯年卯月卯日だったことから - 亀・・・松尾大社
祭神大山咋神 (おおやまぐいのかみ)が丹波地方開拓時に亀に乗っていたことから - 鰻・・・三嶋大社
三嶋大社は海蛇を神使とし、これが鰻と混同され神使へ - 蛇・・・弁才天
もともとインドの水の神であったことから、竜=蛇を神使とした - 海蛇・・・出雲大社
出雲の神有月(他は神無月)のとき八百万神を先導してくるのが「龍蛇」であることから - 白蛇・・・諏訪大社
農業の神と水信仰、そして諏訪地方の「ミシャクジ」という蛇信仰が合体して出来た神使 - 狐・・・稲荷神社
宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)とダキニ天の神仏習合によりダキニ天の騎乗する狐が神格化され、神使となる - 鹿・・・春日大社・鹿島神宮
鹿島神宮の武甕槌命に命令を伝えた神が鹿の神霊だったことから※春日大社の祭神はこの鹿島神宮の祭神だから※厳島神社の鹿が神使というのは間違い本当は烏 - 猿・・・日吉大社・浅間神社
由緒は不明。日吉大社のある比叡山の猿と結びついたためとされる - 烏・・・熊野三山
熊野から大和へ神武天皇を導いたのが八咫烏だったことから。※サッカー日本代表もこれを使用 - 鳩・・・八幡宮
祭神の応神天皇が金の鳩に転じたことから - 鷺・・・氣比神宮
祭神の一柱:日本武尊(やまとたけるのみこと)が死後白い鳥になったことから - 鶏・・・伊勢神宮・石上神宮
天照大御神が隠れた天の岩屋戸」の前で鳴き、太陽を取り戻す役だったことから。 - 狼・・・武蔵御嶽神社・三峰神社など奥多摩・秩父地方の神社
山の神の使いとして神使化
この他にもたくさんあります。
神使だけを探して神社散策などもとても面白いですよ。
ちなみに、中には周囲の土地柄から関連付けされたものなどもあり、一概に「神社にある動物」=「神使」とは限らないものもあります。
長崎県諌早市小野町の金毘羅神社には蟹の石造が奉納されているが、こちらは神使ではないなど。
ペットを連れて行くならキャリーがおすすめ~まとめ~
いくらペットの参拝が基本OKでも、神社によってはNGなところもあります。
神使との関係もありますが、それ以前に根本的に禁止にしている場合もあります。
観光などで遠出する場合、下調べをしてから行くのも、これは必要最低限のマナーと言えるかもしれません。
無理に連れて行って、他の方への迷惑をかけてしまっては元も子もありません。
また、犬や猫が苦手な人もいます。
独りよがりな行為は、神様も好まないかと。
リードで連れて行くのではなく、このような抱っこキャリーバックなどを利用する。
大型犬であれば、鳥居をくぐったら良しとする。
なども良いかもしれません。
現在はさらに進歩して、災害用対策としてのペットカゴも売られています。
吸水口やゲージ機能付き、4WAY仕様も可能。
参考にしてみてください。
もしものことを考えると、飼い主さんがペットの代わりにお参りしてあげたり、神社でのペット祈祷などで参拝する場合は神社側と相談の上、参拝してあげるというのも一つの手段です。
ペットの参拝では気をつけることが実はたくさんあります。
こういったことを知らないで参拝し、逆にご利益を逃してしまうことにもなりかねません。
「必要最低限のマナー」というものをその都度、その状況に合わせてあげて下さいね。
もちろん人間側にも神社で守るべきマナーもあります。
人間もペットも気持ちよく参拝したいですね!
以上「おらがまち」まちこでした。