おらがまち

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垂木(たるき)から日本人の性格を知る。軒下を覗くと秘密がいっぱい!~寺社建築の見方~

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こんにちは。

弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。

 

今回は軒下に隠された秘密です。

 

秘密というほどのこともないかもしれませんが、屋根の下に入って上を見上げることってあまりありません。

 

が、ここは是非見て欲しいところなんです。

特に建物内部に入る前のとこ「軒(のき)」。

 

毎度のことながら、ここで建造物の時代もわかってしまうという優れもの。

しかも日本人の性格もわかってしまう!

 

ではでは早速、寺社建築の軒下の秘密を解明していきましょう!

軒下を覗け!

ちょっと雨宿りをするのに持って来いの「軒下(のきした)」。

ここは雨宿りをするときにも有効ですが、建物にとっても重要な部分でもあります。

 

軒があることで、建物本体を風雨や強い日差しから守ってくれるからです。

 

雨宿りや夏の強い日差しから逃れるため、お寺の軒下に入ったら、ちょっとそのまま上を見上げてみて下さい。

垂木の種類

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軒下を見上げると、建物から外に向かっていくつもの木が並んでいる様子が確認できると思います。

 

その並んでいる木のことを「垂木(たるき)」といいます。

 

屋根の下に小部材として入ることで、屋根を支える役目を果たしてくれます。

 

そしてこの垂木は、並び方によって宗派や建築様式を確認することが出来るんです。

平行垂木

もし垂木が整然と平行に並んでいたら、それは「平行垂木(へいこうたるき)」といいます。

 

寺院建築の和様の様式を持つもので、初期の仏教建築が平安時代に日本風に発展して行った建築様式です。

 

ただこの平行垂木は、次に紹介する扇垂木とは違い、隅に行けば行くほど屋根にぶら下がっているのと同じ状態。

なぜ本来屋根を支えるべき垂木をこのような形にしたのかはよくわかっていないんだそうです。

 

平行に並ぶことに、美を見出してしまったんでしょうか。

平安時代の人は。

扇垂木

では今度は、垂木が建物本体から放射状に並んでいたら、こちらは「扇垂木(おうぎたるき)」といいます。

扇を広げたような形をしていることから、この名がつきました。

 

仏教伝来とともにやってきたこの「扇垂木」ですが、結構謎多いやつです。

 

実は「もの」が残っていない。

唯一、四天王寺(大阪府)(聖徳太子が建てたとされるお寺)の遺跡(講堂)から発掘・確認されているくらい。

 

現存する飛鳥や奈良時代の建築物にもこの扇垂木を確認することは出来ないんだとか。

 

屋根の中心からがっちりと長い垂木が支える形になるので、平行垂木よりは建築上は有意なものだそうですが、なんで消えてしまったんでしょう。

 

日本建築の不思議。

 

とはいえ、禅宗の寺院には多く見られる様式でもあり、禅宗様として紹介されています。

禅宗は鎌倉時代にやってきた仏教。

 

この扇垂木は中心から放射状になっている場合と、中心は平行で徐々に端に向かって放射状になる場合も。

隅扇垂木

平行垂木と扇垂木を足して2で割ったような垂木が、こちらの「隅扇垂木(すみおうぎたるき)」です。

 

中心から端っこになる直前まで平行に垂木を並べ、隅だけ扇状に配置させたものになります。

 

大仏様の建築様式なり、禅宗様と同様鎌倉時代に入ってきた様式です。

古いものなら鎌倉時代ににまでさかのぼることができます。

 

ちなみに大仏様は、奈良の東大寺の復興のために中国から取り入れられた建築技術。

(東大寺は源平の争乱の時に焼失したので、これを直すため。)

 

 

垂木には主にこの3種類に分けることができます。

 

さらに細かくすると、この垂木が密に並んでいれば「繁垂木」、すかすかだったら「疎垂木」、規則正しく抑揚をつけた状態(例えば、2本おいて1本あけるなど)なら「吹寄せ垂木」といいます。

地円飛角(じえんひかく)で歴史を知る

軒下に入って垂木を確認したら、今度はその垂木が何段になっているか確認してみて下さい。

 

1段ですか?

2段ですか?

それとも3段?

 

基本多くても3段。

普通は1段か2段かと思います。

 

1段なら「一軒(ひとのき)」で、垂木は「地垂木(じだるき)」といいます。

2段なら「二軒(ふたのき)」で、下の垂木を「地垂木」、上の垂木を「飛檐垂木(ひえんだるき)」といいます。

3段なら「三軒(みのき)」で、下の垂木を「地垂木」、上2段の垂木を「飛檐垂木」としています。

正規の手法

通常は2段の「二軒」で、「地垂木」を円形、「飛檐垂木」を角形とします。

大体、どこの寺社建築をみてもこの二軒かと思います。

 

この形の垂木の形を「地円飛角」といいます。

 

正規の手法として奈良時代に全国各地に広まります。

平安時代以降は”地角飛角”

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ところが平安時代に入ると、平行垂木が主流となり、地垂木も「角」へと変化して行きます。

 

「地”円”飛角」が「地”角”飛角」へとなってしまったわけです。

 

ここから「平行垂木」「地角飛角」の寺院建立が本筋となっていきます。

 

もちろん古い様式を守った建築物もあり例外もありましたし、現在修復するもののなかにはこの「地円飛角」のものや「扇垂木」としているものもあります。

 

垂木を見た時に、「地円飛角」だったら古い様式でつくられたんだと思って、眺めてみてくださいね。

f:id:oragamatiko:20180801153116j:plain寺社建築には、他にも懸魚や木鼻などもりだくさん!

丸いならちゃんと丸くないとイヤ~まとめ~

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軒下の垂木が入ってきた当初、日本人の性格が伺える意向があります。

それは「丸いならちゃんと丸くないとイヤ」です。

 

どういうことかというと、中国や韓国の寺院建築では「地垂木」に使用した木材は、木そのものの丸みを利用したものでした。

 

しかし、日本人はその本来の丸さではがまんできなかったらしく、わざわざ角材を用意し、さらに4角形を8角形に、8角形を16角形へ加工し、徐々に円へと加工します。

 

きれいな円に加工するこの技術は、地垂木だけでなく他の円材でも使用されているやり方です。

 

日本人のまっすぐじゃないとイヤ、ちゃんと丸くないとイヤ、という几帳面さが出ている意向の一つでもあります。

 

でも、面白いことに屋根の中に入ってしまっている見えない部分は、作業量を減らすために角材のまんまなんだとか。

 

見た目だけでもきれいにしたい、なんて、現代人にも通じる日本人の悲しい性ですね。

 

やはり一律のものがいいという感覚は当時からあったようで、日本人の性格が建築物にも反映されているのかと思うと大変面白いです。

 

「角角が好き」「平行が好き」「整然と並ぶのが好き」「ちゃんと丸じゃないとダメ」なんて、まんま日本人を表していると思ったのはわたしだけではないと思います。

 

こんな面白さが詰まった軒下の垂木。

 

今度雨宿りしたときは、ちょっと軒下を見上げてみて下さいね。

 

おもしろい発見があるかもしれませんよ!

 

 

以上「おらがまち」まちこでした。

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