こんにちは。
弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。
毎年夏になると騒がれる「靖国神社の歴史問題」。
戦没者慰霊碑なんてのもありますし、戦争が前面に出ている感が否めません。
なんで、こんなに大騒ぎされるんだろう。
日本人の自分にはまったくわからない。
わたしたちは、そう思ってしまいますよね。
でも、本当になにが問題なの?
というわけで、今回は日本人でも知らない本当の靖国神社の歴史問題。
かな~りマニアックですが、早速みてみましょう!
靖国神社とは
靖国神社、靖国神社といっていますが、どんな経緯で創建され、どんな歴史があるのか、どんな御祭神が祀られているのかなどなど、わたしたちはあまりよく知りません。
伊勢神宮や出雲大社のように有名神社なのに、あんまり知られていない靖国神社について、まずは見てみましょう!
どんな経緯で創建された?
靖国神社の歴史は案外新しくて 、創建は明治時代。
令和元年をもって、150年の歴史を迎えます。
全国にある「護国神社(ごこくじんじゃ)」の総本社。
明治天皇によって「東京招魂社(とうきょうしょうこんしゃ)」として創建され、間もなく「靖国神社」と改名され現在の形となりました。
幕末から明治維新にかけて日本は大きく変化した時代で、明治天皇は国のために犠牲となった人々の御霊(みたま:魂・霊魂のようなもの)を慰めるために靖国神社を作りました。
その後もたくさんの戦争などで犠牲となった人々が祀られ、現在その数246万柱。
日本の1神社にこれだけの数がいるのもの異例な上、 管理はもともと陸海軍・内務省など国の直轄でした。
日本の国のために戦死した人々のために慰霊碑も建てられ、国家的軍事色の強い神社になっています。
そのため、神官の進退・増減・お給料なども国家として決定。
現在は靖国神社自主管理の神社ですが、当初はこんな感じで運営されていました。
つまり、日本の神社の中でもちょっと異質の存在なのが「靖国神社」というわけです。
靖国神社は国家の象徴?
別に国が維持管理しているわけではありませんが、こんな経緯があるもんで、現在も靖国神社は神社を統括している神社庁の傘下には入っていません。
いずれ国に返さねばならないもの、とされているとか。
そのせいか、いまだに「国家色」が強い。
まぁ、見た目から菊の御紋も輝いていますし、日本の首都:東京、しかも皇居のすぐ近くにありますし、日本のために亡くなった人たちを御祭神にしてますしね。
外国の人たちには「戦争で死んだ人を神として国で祀っている」というイメージに繋がってしまうのです。
そここに慰霊碑も建てられているので、否が応にも「戦争」が目に入ってくる。
「靖国神社」=「日本」、しかも「帝国主義の日本」を連想させてしまうわけです。
少なからず遠からずではありますが、靖国神社の本当の存在意義はそうじゃないんです。
日本人の宗教観と外国の宗教観
日本の宗教といえば「神道」「仏教」。
「仏教」はお葬式などで、「神道」はお祝いごとでお世話になるイメージがありますよね。
日本古来のというと「神道」が、日本の宗教といえるかもしれません。
この「神道」ですが、一言で説明するにはあまりにも難しい。
というか、説明できない。
というか、謎。
というか、ない?
というか、ぶっちゃけめんどくさい。
キリスト教やイスラム教のように一神教ではありませんし、仏教のように多神教であるにもかかわらず、神道の神様はやたら身近に存在。
「アラーの神様」「キリスト様」と崇めるような存在もありません。
毎日、お祈りするようなこともないですし、守らなければならない規則のようなものも基本ありません。
しかも「神道」を信仰しているのは日本だけなのですが、その当の本人の日本人ですらよく「神道」のことを理解していません。
なぜか。
あまりにも身近なものだから。
神道は、わたしたちの生活の中に染み込んでしまっているので、宗教として意識することはほとんどありません。
せいぜい、お宮参りとか七五三とか、毎年のお祭りとかで、神社や神道を感じるくらい。
日本人は無宗教といわれますが、全くそんなことはなくていろ~んなところでわたしたちは「神道」をやってるんです。
無意識の宗教とでもいうか。
とにもかくにも、日本人の宗教感覚はおもしろいのです。
日本特有の「怨霊」
そして、そんな独特な宗教感覚を持つ日本には昔から持っている信仰があります。
それは「無念の死」や「非業の死」をとげた人間は、死後「怨霊」になるというもの。
これを「御霊信仰(ごりょうしんこう・みたましんこう)」といいます。
縄文時代のころから片鱗が見られ、平安時代に最盛期を迎えます。
「怨霊」にならないでね、大事に大事に供養するから祟らないでね、というものです。
代表的な怨霊は「菅原道真(すがわらのみちざね)」ですが、彼が怨霊だったことを知っている人は少ないのではないかな。
最初はそりゃもう、天変地異を起こしたり、たくさんの人を殺したりしましたが、やがてご利益をもたらす人物神へとなります。
このように、いずれいい神様になれば御の字ですが、永遠にず~~~と祟ろう祟ろうと身を潜めている怨霊とかもいます。
だから、神社に祀ればいい神様になってご利益をもたらせてくれるとは限らないわけです。
靖国神社に祀られている人たちを「ご先祖様が日本を守ってくれるよう、子孫を守ってくれるようにと祀った」ということになっていますが、本当の意味は全然違います。
「もう怨霊とかになんなくていいから、神社に祀るからホント静かに寝ていてください!悪さとかしないでね~ぼくらは悪くないから~だから、祟らないで!」
というのが、当時のホンネ。
ついでに、ご利益くれるような神様になってくれるとありがたいな!
創建者である明治天皇は、最後に三種の神器の八咫の鏡(伊勢神宮の)を見た人物で「こんな強力なもの今後は誰も見てはならない!」とかいったり、日本最強の怨霊といわれる「崇徳天皇のお墓を京都に作る!」といったり、とにかくオカルトちっく。
まちこは明治天皇をいじっているわけではありません。
つまり、その時代まで宗教のこうしたオカルト面スピリチュアル面は、ものすごく身近な存在だったということ。
今からせいぜい100年ちょっと前の話しです。
こんな考え、そもそも外国にはありません。
「人は死んだらおしまい」
お化けになって、人を驚かせるくらいなものです。
でも日本だと違う。
祟るし、生きている人間に害を加える。
天変地異を起こしてみたり、人を死においやったりする。
しかも、その威力がハンパないときてる。
だから、それを阻止するために人間を神社に神様として祀る。
崇め奉るためではないんです。
そうして出来たはずの靖国神社も、戦後のGHQ占領下以降どこかで違い方向に向き始めてしまっている気がします。
明治天皇が今の現状をみたら
やべ、本当は意味違うんだけど
と、思ってしまうかも。
靖国神社はなかなか理解されません~まとめ~
昔「日本の常識は世界の非常識」といわれた時代がありました。
この靖国神社の歴史問題もまさにこれ。
日本では当たり前と思っていることが、外の世界に出ると全く通用しない。
とくに宗教が絡んでくるとそれぞれの国の特色があるため、なかなか理解されません。
中でも、お話したように日本の宗教「神道」の世界観は独特。
しかも、なんでそんなに国家色の強い神社を東京のど真ん中の皇居のすぐ近くに建てたのか。
他の国から見たら、崇め奉っているようにしか思えないわけです。
え?
なんで、東京で皇居のすぐ近くに建てたのかって?
多分、天皇家で戦死者を怨霊にならないように見張るためだったからだと思います。
オカルト大好きな人から見たら面白い話しですし、そういうの好きでない人にしたら「ソデスカ」という答えが返って来そうです。
でも、当時の日本にはまだ「怨霊」が確実に信じられてた。
ほかにも、天皇陛下が外国の戦地跡に行くことを遺族は切に願っているそうです。
それは「天皇には魂を鎮める力がある」と、今でも暗に信じられているからです。
現に天皇陛下が訪れると、それまで起きていた心霊現象がぱったりと止んだ。
なんて、ニュースも聞きますよね。
実は天皇家にはすごい能力があるのかも!
靖国神社は叩かれて、日本の総氏神である伊勢神宮を叩く外国の方ってあんまり聞きません。
伊勢神宮って日本で一番偉い神社なのにですよ?
国とのやり取りも一番多い、日本の象徴のような神社なのに。
不思議ですよね。
それは、靖国神社のこうした歴史があるからに他なりません。
そして、それをちゃんと説明できる人がいないから。
さらには、この日本の宗教や文化を理解するにはあまりにも難しいから。
↓ 外交関係のお仕事をされる方や政治関連のお仕事をされる方には是非読んでほしい。
外交の問題、宗教の問題、色々な要素が絡んできて、状況は全く改善されていない気がします。
かといって、説明しても解決はされないかもしれませんが。
「靖国神社問題」が毎年騒がれるのは、こんな理由がるから、なんて日本人でも知りません。
この記事を読んで、「へ~そうなんだ」と感じてもらえたら、それこそご先祖様の供養になれるのかもしれませんね。
色々ありますが、ここの境内や社殿と桜はとっても美しいので一見の価値あり!
というわけで今回は「日本人も知らない靖国神社問題」でした。
以上「おらがまち」まちこでした!