おらがまち

知れば知るほどおもしろい!自分の町と日本の文化!

鴨川市のお祭り一覧。海だけが観光じゃない、歴史に触れられる鴨川のお祭りたち!

スポンサートリンク

こんにちは。

弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。

 

今日は「鴨川市のお祭り」を一覧でご紹介。

 

鴨川市というと、「海」、です。

海水浴とか、サーフィンとか、釣りとか、鴨川シーワールドとかとか。

 

が!

 

実はこの市には歴史がいっぱい。

 

市内には歴史あるお寺や神社が建ち並んでいます。

とくにお祭りは、江戸時代から引き継がれている山車や鎌倉時代から続く神事などもあり、鴨川市の歴史に触れるにはもってこいのイベント。

 

そして意外にも温泉が出ていて、自然豊かなので海だけでなく山の観光も出来てしまうという、とってもお得な市です。

 

ではではどんなお祭りなのか、早速みてみましょう!

※各地区のリンクは、お祭りの詳細ページへのリンクとなります。

鴨川市のお祭り

kamogawasi-omaturi

4月

清澄祭礼

毎年4月22日に開催される、清澄地区にある天富神社の例祭。

 

天富神社は、明治時代の神仏分離により現在の場所に移されましたが、もともとは妙見山頂にありました。

すぐ近くにある日蓮宗本山「清澄寺」とは昔から神仏習合の関係で密接な関係。

 

お祭りは神職による祈祷が行われるのみで、神輿や山車等の出祭ありません。

 

ちなみにこの場所は「関東の富士見100選」にも選ばれている名所で、晴れた日にはきれいな富士山が見える写真スポット。

意外に知られていない穴場で「ダイヤモンド富士」が見られる場所でもあります。

 

清澄寺に行きながら一緒に参拝するのがおすすめ。

お祭りの日のご利益は倍増です!

5月

弁天島祭礼

鴨川漁港のそば、弁天島にある厳島神社の祭礼。

島といっても橋があるので、参拝はいつでも可能。

 

このお祭り、実は知る人ぞ知る例祭。

観れたらラッキー。

 

60年に1度というスパンで開催されるお祭りで、本尊である弁財天を開帳。

当日は浜から弁天島まで船が並び神輿を渡すという面白い神事が見られます。

30年に1度中開帳もありますが、神輿が出て大々的に行われるのは60年に1度癸巳年の5月だけ。

 

特徴的な寝殿造りの神輿が出祭し、担ぎ手は女性のみ。

2日間かけて町内を練り歩きます。

 

前回は平成25年(2013)だったので、次は令和55年(2073)予定。

近隣の山車や神輿が鴨川漁港に集まったようですが、次回はどうなるのか全くの未定。

中開帳は令和25年(2043)。

7月

広場祭礼

鴨川市広場地区にある須賀神社の例祭。

毎年7月第1土曜日に開催されます。

 

 

屋台と大人・子供神輿があり、当日出祭するのは屋台と子供神輿。

 

大人神輿は拝殿に飾られます。

平成10年に製作されたものと、江戸時代に製作されたもの。

 

江戸時代の神輿は、幅が132センチもあり長狭地域で一番大きいものとして知られていました。

現在も朱塗りの残る美しい神輿です。

 

屋台は後藤義信による彫刻。

天津祭礼

毎年7月末の金土日の3日間開催されるお祭り。

房州の伊勢、天津神明宮の御膝元の地区。

 

天津祭礼は、鴨川市天津地区の須賀神社を中心に行われています。

 

各地区の氏子たちが交代で須賀神社の大神輿を担ぎます。

千葉県内では3番目の大きさとされ、幅132センチ。

 

さらに特徴的な出し物として、「笹万燈(ささまんど)」と呼ばれる小型の屋台で太鼓のみを乗せて曳き回します。

小型といってもその彫刻は大変見もので、細部まで彫られ芸術性に富んでいます。

 

以前は山車や屋台もあったようですが、現在は出祭していません。

須賀神社例祭や天津神明宮の式年遷宮などで、同地区の芝町の山車が披露されることがあります。

太海祭礼

鴨川市太海地区のお祭りで、7月の第4土曜日に開催。

 

仁右衛門島などの観光名所があり、海と密接に関係した地区なので、神輿のほかにお祭り出し物も特徴的。

南房総特有の船型の山車「御船(おふね)」があり、「津嶋丸」が出祭します。

神輿は江戸時代製作の大変古いもの。

 

また、この地区には弟橘媛(おとたちばなひめ)を祭神とした神社があります。

この祭神を祀る神社は千葉県を中心としていて、全国的には珍しい。

 

夫を立てる女性の象徴の弟橘媛のご利益は、女子力アップとされています。

お祭りの日はご利益アップですので、おすすめ日和!

小湊祭礼

鴨川市小湊地区は、JR小湊駅から誕生寺にかけての地区。

毎年7月の第3土日曜日に行われます。

 

神輿3基と屋台2台が出祭。

 

誕生時に近いことから、この地区の小湊神社は誕生寺守護の役割を担っていました。

そのため毎月1日や例祭日などに、誕生寺のお坊さんが祈祷を行います。

 

神社の社殿でお坊さんが読経するので、とっても印象に残るお祭り間違いなし。

8月

大山祭礼

鴨川市でも大分山間の大山地区で行われる祭礼です。

毎年8月の第1土曜日に開催。

 

たった1日ですが、ここの祭礼はとっても特徴的。

 

神楽や鞨鼓舞、大人神輿、子供神輿、屋台、宮立て(人の乗らない超小型の屋台)など、様々な出し物が観れるので、一日でお腹いっぱいになれます。

神楽や鞨鼓舞は千葉県の無形文化財で、締めは花火というこだわり。

 

しかも、主催となるのは高蔵神社なのに、大山不動尊というお寺に神輿が集結。

お寺も神社もごちゃまぜの面白いお祭りでもあります。

 

大山不動にはお寺なのに狛犬がいたり、いたるところでごちゃまぜ感が味わえます。

浜荻祭礼

鴨川市浜荻地区のお祭り。

毎年8月上旬で。

3年に1度を本祭とし、大々的に開催されます。

 

万燈と神輿が出祭し、天狗がお祭りに色を添えます。

 

現在の神輿は平成14年作成の新しいものですが、先代の形式を引き継いだもの。

その先代神輿も現役でこそありませんが、貴船神社の拝殿にしっかりと安置されています。

9月

鴨川祭礼

鴨川祭礼は、JR鴨川駅を中心とした鴨川市の市街地でのお祭りです。

毎年、秋の9月第2土日に開催されます。

 

通常お祭りは地区ごとに神社の氏子として参加しますが、鴨川祭礼は「講(こう)」というくくりでの参加になります。

「講」とは信仰を同じくする集団で、地区という区画を越えてある神社の氏子さん同士が集まったもの。

 

これが大々的に主流になるのは江戸時代に入ってからで、鴨川祭礼ではこの「講」ごとに山車や神輿が存在します。

 

さらに江戸時代後期の貴重な三輪の山車などもあり、江戸時代の歴史を感じることができるお祭りでもあります。

ちなみにこの山車たちは、東京の神田祭のときに使用されていたもので、鴨川市の文化財にもなってます。

 

また、南房総特有の「担ぎ屋台」を現在もなお、実際に担いでるところも。

その豪快さに驚くこと請け合いです。

 

2日目にJR鴨川駅に神輿や山車が集合するので、とても観覧しやすいのもいいところ。

南房総のお祭り初心者でも、行きやすいお祭りの一つです。

田原祭礼

田原地区は、鴨川有料道路を下りたあたりの山間の地区です。

毎年9月の第4土日に開催。

 

2日間開催されるお祭りでは、伊八の彫刻が彫られた屋台や江戸初期から伝わる川代神楽など、貴重なものを観ることができます。

 

が、この地区はとっても過疎化がすすんでいます。

そのため年々規模を縮小。

 

神楽の担い手も不足していますし、伊八の彫刻の屋台なども今いかなければ見れなくなってしまう可能性もあります。

少しでも興味があれば、早々に行くことをおすすめします。

 

管理人まちこの中ではレッドリスト祭礼。

吉尾祭礼

鴨川市吉尾地区は、長狭地区街道沿いにあります。

9月の最終土日曜日に、吉保(きっぽ)八幡神社を中心に開催。

 

吉保八幡神社は、千葉県でも流鏑馬神事が行われる神社として知られています。

 

この流鏑馬は千葉県の無形民俗文化財にしていされているのですが、その特徴は射手が「武士」ではなく「神主」であるということ。

 

流鏑馬は「武芸」として確立していますが、ここの流鏑馬はまさに「神事」を追求したもの。

 

この形式が珍しいことから、県外からも多くの観光客がやってきます。

吉尾祭礼はこの流鏑馬神事と同日に行われ、神輿8基、屋台5台、宮立と呼ばれる太鼓9基が出祭。

さらに流鏑馬鑑賞の人出も重なる規模の大きなお祭りとなっています。

 

神輿や屋台などの伊八の彫刻がずらりと並ぶ様子は、さながら動く美術館。

足を運ぶ価値は十分あります。

実入祭礼

鴨川市実入は、JR安房天津からJR安房小湊の間にある海側の地区。

9月29日に住吉神社を中心に開催されるお祭りです。

10月

北小町祭礼

鴨川市の主基地区の北側、ちょうど主基斎田跡の北になるあたり。

毎年10月1日に行われる、北辰神社(ほくしんじんじゃ)の例祭。

東条祭礼

東条地区は、鴨川市役所があるあたり県道181号線沿いの地区。

毎年10月第2土日曜日に開催。

 

屋台が4台出祭しますが、歴代の伊八の彫刻に飾られた屋台のみならず、安房を代表する後藤派の彫刻などもあり、見ごたえ十分。

 

また、古代から開けた地区で、大きな寺社や県・市指定の文化財などの建物が建ち並びます。

お祭りが無くても、散策しながら鴨川市の歴史を感じることができる地区です。

西条祭礼

西条地区はさきの東条地区と対をなす地区で、鴨川市役所の周辺。

お祭りは毎年10月第1土日に開催されます。

 

山車2台、屋台1台、神輿2基が出祭。

200年以上の歴史を持つ神輿あり。

 

西条地区は「波の伊八」の生まれ故郷としても知られ、周辺には伊八の彫刻が残された寺社がたくさんあります。

現在、伊八の生誕地跡にはお墓が建てられ、その面影をみることができます。

江見祭礼

 毎年10月体育の日前日の日曜日(3連休の中日)に開催されるお祭り。

江見は南房総市と隣接する鴨川市の西側の地区。

 

釣りや花などが有名ですが、この地区のお祭りはちょっとしたことで有名。

それはお祭りのときに各地区で催される踊りです。

 

日本舞踊などの伝統の踊りから、創作ダンスまであり内容は実にさまざま。

これを目当てにお祭りに足を運ぶ人もいます。

 

6台の屋台と神輿1基が練り歩き、午後になると居並ぶ屋台の周辺で各地区で踊りが披露されます。

JR江見駅周辺で行われます。

曽呂祭礼

曽呂は鴨川市街地の南側、山間に入った地区。

曽呂は千葉県下の温泉があるとされ、温泉マニアの間では知られた温泉地でもあります。

 

毎年10月体育の日連休の中日曜日に開催されます。

 

屋台や宮立て(人を乗せず太鼓のみの小型屋台)が出祭。

獅子舞などもあり、昔ながらの農村のお祭りを堪能できます。

 

小さなお祭りですが、彫刻は安房を代表する宮彫師:後藤派の彫刻が多数あり、大変見どころの多いお祭りです。

 

ちなみにかなり細い道が多いので、安易に車で入ると抜け出せなくなることがありますので、ナビに完全に頼るのは危険。

四方木祭礼

四方木(よもぎ)地区は、清澄山の奥の方になり通称「奥清澄」と呼ばれるところになります。

毎年10月第2月曜日(体育の日)に開催される熊野神社の例祭。

 

このお祭りには、竹籠に餅をつめた「餅神輿」とよばれる面白い神輿が出祭します。

過疎化が進んでいるため、集会所のみで町内の練り歩きはありません。

だからこそ確実に見れる!

天津神明宮例祭

鴨川市天津地区にある天津神明宮の例祭。

毎年10月15、16に開催されます。

 

万燈や屋台が出祭。

 

房総の伊勢神宮といわれる由緒ある神社なので、御朱印をもらうならこの日が一等おすすめ。

お祭りは「縁日」=「御祭神に縁がある日」なので、この日にお参りするとご利益倍増するとされています。

 

また、全国的に珍しい式年遷宮が残る神社。

 

式年遷宮にも色々あり、伊勢神宮などのように建物ごっそり変えるパターンもあれば、塗装などの装飾のみで式年遷宮としたりします。

 

天津神明宮は20年に1度鳥居を新しくすることでそれに代えています。

「式年鳥居木曳祭」は前回2015年に開催されたので、次回は2035年の予定。

3日間天津地区にて鳥居の木材が曳き回されます。

歴史が深い鴨川市~あとがき~ 

kamogawasi-omaturi-ooyamasennmaida

鴨川市は鴨川シーワールドや亀田病院、鴨川温泉など、海岸沿いの地区に観光資源があります。

観光に来るとまっさきにこの辺りを散策。

でも、実は鴨川市は古代からの歴史深い市だったりします。

 

古代には「長狭国」という国も存在し、中世になると日蓮上人をはじめ宗教地域としての発展をとげます。

 

現在でもなにげに鴨川市街地にはたくさんの寺社があり、しかも国や県の文化財も多い。

 

また、江戸時代に入ると「波の伊八」をはじめとする宮彫師たちが活躍し、芸術面でも充実して行きます。

 

お祭りも東京の神田祭や大原のはだか祭由来の神輿や山車もあり、地方の一祭りではありますが、一見の価値のあるものばかり。

流鏑馬神事も残っていれば、式年遷宮の残る神社や神仏習合の面影たっぷりの祭礼もあります。

 

海側の観光ばかりが目立ってしまいますが、そここに歴史あふれる地区です。

大山千枚田などで知られ、長狭などは米どころなのでお酒もおいしいし、素通りしてしまうようなとこにこそ魅力がたくさん。

 

海だけでない、鴨川市の歴史を堪能する旅も面白いです。

山側はマニアックだけど、意外な発見があっていいですよ~

 

 

以上「おらがまち」まちこでした。