こんにちは。
弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。
お祭りの道具として欠かせない「足袋(たび)」ですが、普通の生活の中で履くことってなかなかありません。
とはいえ、お祭り大好き人間や足袋を履く機会のある人ならではの、それぞれのこだわりもあります。
そんな「足袋」について今回はご紹介したいと思います。
今や凄まじい進化を遂げた「足袋」たち。
それでは早速みてみましょう!
足袋へのこだわり
「足袋(たび)」は、和装のときに足に履く靴下のようなものです。
平安時代のころから貴族の間で着用されるようになり、現代に至るまで和装といえば「足袋」を履くものと決まっていますよね。
足先が2つにわかれているのも「草履(ぞうり)」や「雪駄(せった)」「下駄(げた)」などを履くためにある特徴の一つ。
昔は皮製品でしたが、江戸時代になると木綿のものが主流となります。
これに併せて、以前まで紐で結んでずり落ちるのを防いでいたものが、「小鉤(こはぜ)」と呼ばれる留め金具を使用するようになりました。
色もさまざまでしたが、次第に白・紺・黒と落ち着いた色へと変化して行きました。
今足袋といえば「白」ですが、これは江戸時代後期あたりから一般化してきたこと。
足袋の歴史は随分古いのですが、一般人も履き初めたのは江戸も末期になってから。
布製の足袋としてはまだまだです。
それではこの足袋を購入するとき、なにを基準に購入したらいいんでしょう。
体験談等をまじえ、ちょっとまとめてみました。
お祭りのとき
お祭りをやる人間からすると、足袋はものすごく重要なアイテム。
なぜかというと、一日中履きっぱなしだから。
神輿を担いだり、山車を曳き回したことがある人なら知っているのですが、アスファルトを足袋で歩き続ける辛さって、実はハンパないです。
なので、どうしても足への負担を考えます。
祭礼のときに使用する足袋は、ほとんどが「地下足袋(じかたび)」といって直接地面を踏みしめるタイプ。
普段厚底でゴム製のクッションの効いた靴に履きなれている現代人にとっては、苦痛意外の何ものでもありません。
お祭りをやっている人たちが平気な顔して、神輿や山車を曳き回していると思われているかもしれませんが、その笑顔の裏には足のマメとの戦いがあります。
祭礼の衣装にも力が入りますが、一日履き続ける足袋にも並々ならぬこだわりが!
毎年の消耗品だからと安いものを買うと必ず後悔するのが、この「足袋」といっても過言ではありません。
もしお祭りの足袋でどんなものを買ったらいいのかわからないときは
- 厚手のゴムが下地
- エアークッション(衝撃吸収クッション)が入っている
- 祭礼用品の専門店で購入する
- つま先にもゴムがついている
を参考にしてみてください。
なにげに大事なのが「4、つま先にゴム」です。
布製で出来ている足袋を履いて、神輿を担いでいると人に足を踏まれるってのザラにあります。
足の小指をタンスにぶつけた時のことを思い出してください。
あれと同じくらい痛いです。
そして祭礼用品の専門店で購入するれば、見た目も安心。
間違って作業用の足袋とか買うと、せっかくのお祭りの衣装に似合いません。
それこそちょっとしたデザインの違いなのですが、お祭り人間からすると姿かたちはとっても大事。
わかってくれた人ありがとうございます!
お祭りの衣装についても記事書いてます。
着物を着るとき
では、着物を着るときはどんなこだわりが必要でしょうか。
着物を着る機会はそうそうありませんが、もちろん気にする点がいくつかあります。
わたしは弓道をやっていたので、足袋を履いて袴を着ていました。
面白いことに弓を踏ん張るとき、足袋によってはツルツルして力が入らないんですよね。
でもゴム製の下地がついた足袋ではなく、道場などで着用する足袋は「白足袋」といわれるすべてが布製になります。
道着として足袋を履くときは、祭礼のときと違って今度は逆に厚過ぎると良くないです。
ふんばれません。
(でも真冬は靴下よりあたたかくないので、完全に足先がマヒします)
しかも道着としての足袋は消耗率がすごいので、何枚セットとかを買っておくのがいいと思います。
足の裏がすぐすれてダメになります。
ただ、こうした着物の着用時の足袋って、一日履きっぱなしってのはあまりないので、ごくごく一般的なもので充分。
祭礼のときも雪駄を履くときに着用しますが、この場合は一日履きます。
一応地下足袋のように直接地面に接することはないのですが、やはり底は少し厚めのものを意識して購入するのがよいです。
もしくは足袋用の中敷きを利用するとかかな。
足袋にするメリット
個人的に足袋を購入する機会は人より多いのですが、こうして文章に書き起こすと意外なところにこだわっているのに気づきます。
ですが、お祭りもやらない、着物も着ない場合は、それこそ足袋と接する機会ってありません。
ところが最近は旅館にいくと足袋の靴下が置いてあったり、じわりじわりとその存在感が注目されてきています。
足袋は足指が2つに分かれていますが、この親指と人差し指で分かれているところがミソなんだとか。
現代人は靴に足を抑え込まれ、外反母趾や偏平足などの足の問題をかかえています。
これは足にある筋肉「内在筋(ないざいきん)」の筋力不足の為に起こってしまうそうです。
この内在筋を鍛えるための運動もありますが、なかなか意識して運動をやることって出来ません。
足袋は足先が2つに分かれていることから、履いているだけで自然にこの内在筋を鍛える運動をしていることになるんだそうです。
履くだけなら簡単。
しかも、足を押さえつけられていないので血行がよくなり足のむくみ防止にもなるんだそうです。
現代人にはもってこいの履物なんですね。
そのため、最近はこの足袋を応用した運動靴や作業靴などがたくさん販売されています。
ランニング用の足袋って?
別名「忍者シューズ」ともいわれています。足袋の専門店が作ったランニング用の足袋シューズ。
靴と違って、とにかく踏ん張る力がつくこと。
また、やわらからい布製なので足の動くが妨げられないので、とても走りやすいそうです。
「忍者シューズ」とはよくいったもので、身軽に颯爽と走りたい方に人気。
ただし、防水加工ではありませんので雨の日は無理ですが。
農作業だって登山だって足袋!
足袋はとにかく足に踏ん張る力をくれます。
ランニングシューズのような軽やかな足袋ではありませんが、工事作業や農作業などにスパイクがついた足先が厚手の樹脂で保護された足袋も販売されています。
その種類も実に様々。
鳶職のお仕事の方がよく足袋を履いていますが、これも踏ん張る力を利用して高所での作業を円滑にするための先人の知恵でもあります。
足袋は昔から日本人の知恵の一つでもありました。
親指と人差し指の間にたった一枚の布が入るだけで、足の踏ん張り具合って全然違うんです。
足袋を直接履くのはちょっと抵抗があるなら、足袋靴下を利用してみるのもいいのではないでしょうか。
今はおしゃれな足袋靴下がたくさんあります。
健康のためにお家にいるときだけでも履いてみるのもいいかもしれませんね。
足袋の価値を再発見
足袋を履く機会がなくなったからこそ、その価値についてもう一度見直す、というのは良いことだと思います。
健康のために履くのもよいし、これも文化の維持継承だ!と思ってくださるなら、弱小文化財応援ブログの管理人としてはとっても嬉しいことです。
それにはやはり「意識して」行うことが大事なわけで、最初はここが大きなポイントになるんだと思います。
お祭りをやっている、着物をよく着る、そういった形以外にも色々と「足袋」に触れる機会はあります。
この記事をよんでちょっと興味を持たれ方。
靴下一枚どうでしょう?
以上「おらがまち」まちこでした。