おらがまち

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ひのきは住宅資材?ヒノキチオールは日本のひのきにはない?ひのきの有効活用について。

こんにちは。

弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。

 

今や世界的に問題となっている森林伐採ですが、日本には都会を外せば至るところに山はあるし、そんな話とは無縁に感じてる方も多いのではないでしょうか。

 

確かにちょっと田舎に行けば、青々としげった木が山をおおって自然がいっぱいって感じですよね。

 

では、そこの山にどんな木が植わっているかわかりますか?

その木は何かに使われているんでしょうか。

 

歴史や文化財にかかわらず、木で作られたお家、木で作られた紙などなど、日本には木で作られたものがたくさんあります。

 

今回は、日本の生活には欠かせない「木」についてちょっとご紹介。

木の使命?

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日本書紀の木の誕生編

日本書紀の中にある一説があります。

 

須佐之男命(すさのおのみこと)が、ひげを抜いてぽいっとすると、そのひげが杉の木になりました。

また胸毛を抜いてぽいっとすると檜(ヒノキ)に、さらにお尻の毛は槙(マキ)に、眉毛は樟(クスノキ)になったそうです。

 

そしてこういいました。

 

「スギとクスノキは船を造るの使ってね。

ヒノキは宮(お家)を造るのにいいよ。

マキでは棺(ひつぎ)を作ろう。

さあ!実になる木はたくさん植えよう!」

 

使い方まで丁寧に教えてくたんだとか。

 

須佐之男命は暴れん坊の神様として知られていますが、木の神様としての信仰も集める神様でもあります。

 

「木の国」というと「紀の国」を連想されるかと思いますが、これ何も某有名菓子店や某書店のことをさしているわけではありません。

 

「紀の国」は、現在の「紀伊国(きいのくに)」=和歌山などの紀伊半島をいいます。

 

この紀伊半島で有名な神社といえば「熊野大社」ですが、この主祭神が家津御子大神(けつのみこのおおかみ)といって、須佐之男命とされています。

 

熊野大社は伊弉諾神が死んだ場所に建てた神社で、その奥さんの伊弉冉神も一緒に祀られています。

古代の他界信仰の場所とも言われ、死んだ本人イザナギノカミと奥さんであり冥界の神のイザナミノカミが祀られるのはわかるのですが、なぜここでスサノオミコトガ出て来るのかと思いますよね。

 

紀伊半島は古来より雨が多く木が多い茂っていた地で、そこから「木の国」という名前がついたとも。

そこに他界信仰のイザナギ・イザナミが登場し、その子供であり木の神であるスサノオが熊野大社に祀られる、となると、結構しっくりきますよね。

 

紀伊の国(木の国)に鎮座する木の神様がいるおかげか、今でも紀伊半島は貴重で良質な木材を産出しています。

 

日本書紀はただの神話のお話と思われがちですが、古代の正式な史書でもあります。

そこに記載されたものは国の歴史とともに重要な案件が残されている裏があります。

 

紀伊の国の伝説やスサノオの毛のお話、木材の用途なども重要であるからこそ記されています。

木はそれだけ大事なものであったことがわかります。

 

この記事は木材のお話なので、この日本書紀で記された木たちが古来どのように使われていたのか詳しく見て行きたいと思います。

使われるべきところに使われる

日本書紀の成立は奈良時代初期ですが、日本にそれ以前からたくさんの木が存在していました。

 

吉野ヶ里遺跡(弥生時代)にはカシの木で、三内丸山遺跡(縄文時代)はクリの木で作った家屋の痕跡があります。

いずれも硬くて腐りにくい木材で、当時からそれぞれの木の特徴を活かした使い方をしていたことがわかります。

 

須佐之男命が木の使い方を色々教えてくれていましたが、もっと前の縄文時代の人も弥生時代の人も、ちゃんと木の良し悪しを見抜いていいたんですね。

住宅・建築資材

上記したようにクリやカシの木など、固くて腐りにくいものがよく利用されていました。

 

それでは建築資材に良いとされてきたヒノキですが、どんなところに利用されていたんでしょう。

 

一般人の住居ですかね?

いやいや、やっぱり当時からヒノキは貴重で高いものでした。

なので、天皇の住まいなど重要な施設に使われていました。

 

今でも残されている貴重な建物があります。

 

法隆寺の塔です。

1300年経っていますが、強度は当時と同じくらいです。

ヒノキは木目など細胞自体が緻密で、狂いが少ないことから昔から好まれて建築資材として使われていました。

 

そして、ヒノキの最大の特徴は「燃えにくい」ことです。

 

「ひのき」は「火の木」と言われ、古来より燃えにくいことで知られていました。

建物の最大の敵は火災です。

燃えにくいことは一番重要でした。

 

これはもう建築資材には最適の木材としかいえません。

 

また、ヒノキには特有のにおいもあります。

この独特の匂いが日本人好みなんだそうです。

確かにあの香りを嗅ぐと落ち着きますよね。

 

昔の大工さんは、自分の素性を知らない人にあっても「あ、大工さんだね」と言われることがあったそうです。

それはこのヒノキ特有の香りが、大工さんからしていたからだそうですよ。

きっといいにおいだったんでしょう。

ちなみに人によってはヒノキのアレルギーもあるようなので気をつけて下さいね。

 

ヒノキすごいです。

いやスサノオがすごいのか。

 

ヒノキは日本と台湾だけにあります。

日本の文化財を修復したりするときに台湾のヒノキには大変お世話になっています。

台湾さんとはいつまでも仲良くして行きたいですね!

棺もしっかりマキで作られた歴史があります。

 

これは古墳時代のお墓を発掘すると顕著にみられます。

コウヤマキというマキで棺をつくります。

 

このコウヤマキ、見た目なんの変哲もないただの木です。

香りがよいとか、木目が美しいとか、そんなこと一切ありません。

 

ただし、ずば抜けて良いところがあります。

水にとっても強い。

そして腐りにくい。

ゆうに300年くらいは余裕でもつらしいです。

 

昔は火葬の風習は一般的ではありませんでした。

土中・洞窟などに埋葬され、この高温多湿の日本の環境の中では死者を守るために最適な木材でした。

 

しかもこのコウヤマキは日本原産の日本にしかない木です。

扱い方は日本人しか知りません。

やっぱり、ちゃんと木の性質を見抜いていた先人たちの知恵ですね。

 

水に強いことから、その後は風呂桶としても重宝されたんだとか。

造船

スギとクスノキで船を作るようにスサノオがいったそうですが、この二つにはどんな特徴があるかわかりますか。

 

まず、船を作るにはどれだけの木材・どれくらいの長さが必要でしょうか。

 

ここまで言われるとピンとくる方もいるかと思いますが、この二つ、「巨木」であることが特徴としてあげられます。

屋久杉(屋久島の縄文杉)や近くの神社の立派な御神木なんかもクスノキが多いです。

みんな大きな木ではないでしょうか。

 

大きな木だからこそ、大きな船を作るにはもってこいでした。

 

腐敗や虫に強い(独特なにおいがあるため)ので、古代から丸木舟の材料としても利用され、戦国時代~江戸時代には軍艦がこの木から作られていました。

 

今ではスギ花粉で花粉症の原因として嫌われているスギですが、まっすぐ育つ木として昔から大変重宝されていたんですよ。

番外編:庭に植えてはいけない木?~サクラ~

春になると桜でお花見をするのが、日本の風物詩となっていますが、この桜の木を庭に植えているお家をあまりみかけません。

というか、ほとんどみません。

 

「サクラの木の下には死体が埋まっている」

といいます。

サクラの淡いピンク色の花弁は、死体の血を吸っているからとも。

 

迷信的なお話ですが、実はサクラはものすごい腹っ減らしなんです。

養分をよく吸ってしまう木なので、庭のような狭い土地に植えてしまうと、他の木が育たなくなってしまいます。

だから、死体のように栄養分豊富なものを埋める、といった迷信も出てきたというわけです。

 

ちなみにもう一つ養分を取る木といえば、「ビワ」です。

こちらも植えると死人が出るとか不吉の木といわれますが、これまた庭の栄養分をどんどん吸収してしまうのでよくないからだそうです。

 

二つとも広い土地に植えてあげるのが望ましいようですね。

有効活用~現代編~

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ヒノキ

古都奈良の吉野が育んだ天然【檜の癒し玉】香り入浴剤

ヒノキの湯だま(出典:amazon

ヒノキといえば建築資材の他に、その香りを利用してヒノキ風呂やアロマなどが流行っています。

 

強度や腐食などに強いヒノキですが、特有の香りから安息香化や抗菌作用などがあることがわかっています。

 

よく「ヒノキチオールというヒノキ独特のにおい」とありますが、これはタイワンヒノキから抽出されたもので、日本のヒノキにはほんのわずかしか含まれていません。

 

もしもヒノキの独特のにおいを感じたかったら、写真のようなヒノキのブロックなどをお風呂に浮かべて楽しむことをおすすめします。

日本産のヒノキは「湯だま」と言われる商品で販売されていることが多いです。

 

ヒノキ風呂は贅沢でつくれないけど、ヒノキの端材を有効活用してあげるとってもいい方法です。

マキ

パワーストーン京屋/【高品質】【御利益】高野山霊木【高野槙(コウヤマキ)】13mm 数珠ブレスレット、オリジナル桐箱付き【伏見・京都】

コウヤマキで作られた数珠(出典:amazon

マキ(コウヤマキ)は棺に使われるような縁起のよくないものと思われた方もいるかもしれませんが、その水に対する耐久性はものすごいものがあります。

 

今では風呂桶やお盆や日用品など様々な用途があります。

高野山では霊木として大事にされているので、数珠やパワーストーンとしても良く利用されますよ。

 

木自体の残存数も少ないのでいっそお家で育てるっていうのもありかと思います。

なんせ日本特有の木です。

育ててあげることも、一種の文化財保護につながるかな。

↓興味のある方は苗木を購入です! 

スギ・クスノキ

日本製 国産杉 わっぱ弁当 小判型 曲げわっぱ 弁当箱 約500ml

秋田杉のわっぱ(出典:amazon

スギの名前もみたくない人もいるかもしれません。

花粉症だからとスギを嫌いにならないであげてくださいね。

 

スギは調温作用、調湿作用があります。
奈良時代の正倉院には、杉の入れ物に宝物を入れて保護し、現在に至っているすばらしい木材です。

 

なので、最近はお弁当箱などにも活用されています。

秋田杉などは有名で、他にもコーヒーカップなどの食器類も多く、様々なものがあります。

木の器のやわらかさを知ってしまうと、陶器の食器がものすごく重たく感じます。

是非おためしを。

 

クスノキは香りがあり防虫効果があるので、お線香やクローゼットなどの防臭防虫剤などにも使われます。

自然に優しいものがたくさんありますので、お子さんのいるお家で活用してあげてください。

まちこ木材余談話~木の成長の不思議~

突然ですが、ここで問題です。

 

ある夫婦のもとにまちこちゃんが生まれました。

夫婦はまちこちゃん誕生の記念樹として、庭にキリ(桐)を植えました。

まちこちゃんはすくすくと育って、中学生となりました。

ですが、まちこちゃんはお父さんの都合で転勤することになってしまいます。

まちこちゃんは思い出にと、少し育った桐の幹に「まちこ」と自分の名前を刻みました。

そして、10年後。

再び生まれ故郷の家に戻ってきたまちこちゃんは、桐の木に刻んだ自分の名前があるか確認することにしました。

 

はい。

ここでストップです。

 

まちこちゃんの刻んだ「まちこ」という傷は、当時まちこちゃんが刻んだ場所にちゃんと残っているでしょうか?

それとも、木が育ってしまって「まちこ」は見えなくなっているでしょうか。

 

 

 

 

 

正解は

 

 

「その場所に残っている」です。

 

ええ?木は成長したらどんどん上に延びるものなんだから、その場所に残っているわけないでしょうと思われるかもしれませんが、木は不思議な成長をします。

 

芯から三角形に育ちます。

 

このように断面で見るとわかりやすいです。

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上へ上へ延びて行きます。

 

一番成長率がいいのは上部(てっぺん)、中心になります。

なので、年輪は下部ほど数が多く上部ほど少なくなります。

木の実年齢は下を数えます。

 

つまり、この問題の「まちこ」を刻んだ部分は上に伸びる成長が終わってしまった部分になりますので、刻んだ部分が上に移動したりすることはありません。

ある程度樹皮の巻き込みで見えなくなっているかもしれませんが、「まちこ」は当時のそのままの場所にそのままの形で残されています。

 

不思議ですよね。

 

これは棟梁も学ぶ木材のはなし(上村武著)から抜粋して、わかりやすくご紹介したものです。

大学生の頃に教授に強制的に購入させられた本なのですが、木の仕組みなどがとてもよくわかる本です。

 

今から木のことを学ぶ、大工さんや文化財の保護の仕事をしたい方、もっと木について詳しく知りたい方には大変おすすめです。

 

木って学べば学ぶほど面白いですよ! 

 

 

さらに余談です。

このキリを誕生の記念樹としたのは大分昔からで、特に女の子のために植えられました。

嫁入り道具として桐のタンスを持っていくのがありましたよね。

 

桐の成長は15~20年くらいで、ちょうど嫁入りの頃に手ごろな大きさになったためです。

桐は軽く、湿気を通さず、割れや狂いが少ないことから高級木材でした。

そんな立派なものを持たせてあげたいという親心があったんですね。

 

↓桐は広い庭が必要ですが、オリーブなら屋内でもOK!

まっすぐ育ち場所がいらないので、記念樹としても流行中。

花言葉は「平和」と「知恵」です。

木の使命まとめ

日本の山にはたくさんの木がありますが、その山林の保有面積はなんと国土の約7割といわれています。

 

それでも昭和の中ごろには森林伐採が多く行われてきた経緯があり、このままではいけないと当時植林が一斉に行われました。

 

そこで植えられたのがスギやヒノキです。

日本の山にある木は何かと冒頭で聞いたかと思いますが、答えはこれです。 

 

今私たちの花粉症の原因となるスギは、日本全国どこの山に行ってもあります。

要はスギ、多すぎなんですね。

だから、過剰に花粉が供給されてしまってアレルギーとなる人が増えてしまったようです。

 

そしてスギやヒノキがたくさんあるのに、日本の木材は輸入に頼っています。

手入れをする人や伐採、木材の管理をする人が激減しているためです。

 

そのまま放置することで、せっかく丁度良い時期に来ている木材たちはそのまま資材として利用されることなく一生を終えてしまいます。

また、花粉症などの体への害も懸念されます。

 

木は切られることが使命ではありません。

 

その先が重要なんだと思います。

「木を切ったら育てる」

「木を有効的に使う」

こういった流れをもう一度考える時期なのではないかなぁと、思います。

 

頑張れ林業界です。

 

以上「おらがまち」まちこでした。