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日本建築に欠かせない「組物」。見た目だけじゃない構造力学の粋~日本建築の見方~

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こんにちは。

弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。

 

お寺や神社に行くと、軒下に木を組み込んだオブジェがあります。

観る人が見ると、ホントにオブジェ。

 

でも、これ、飾りではないんです。

 

日本建築の構造をささえる重要な部分。

 

今回はオブジェ、こと、「組物(くみもの)」の見方についてご紹介。

 

ではでは早速マニアックな世界へ!

日本建築の醍醐味

旅行先はもちろん、わたしたちの住むすぐ近くの神社やお寺ってたくさんあります。

 

では、参拝したとき神社やお寺のどの部分を観ますか?

 

「懸魚(げぎょ)」?「蟇股(かえるまた)」?「軒下(のきした)」?「木鼻(きばな)」?

 

※これら日本建築に興味のある方はこちらのカテゴリーへ

 

どれも、とっても魅力があります。

それぞれファンもいるほど、日本建築には見どころがたくさんあります。

 

その中で、一番人気があるところ。

 

それが「組物(くみもの)」です。

 

もはや、日本建築の醍醐味の一つといっても過言ではありません!

組物の構成・種類

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神社やお寺などの建築だけでなく、神輿や山車などにもちゃんとある「組物(くみもの)」。

 

ただの複雑に組み込まれた木の積木ではありません。

 

「組物」は「枡組(ますぐみ)」ともいわれ、軒下に組み込まれた部分の総称。

 

「斗(と)」と「枡(ます)」(=肘木:ひじき)という部品で構成されているので、「斗組(とぐみ)」「斗枡(ときょう)」ともいいます。

 

この「斗」と「枡」の組み合わせて、複雑かつ華麗な組物が出来上がって行きます。

 

その組み方はいろいろ。

 

代表的な形だと、「舟肘木(ふなひじき)」「大斗肘木(だいとひじき)」「平三斗(ひらみつど)」「連三斗(つれみつど)」「出三斗(でみつど)」「出組(でぐみ)」「二手先(ふたてさき)」「三手先(みてさき)」などがあります。

 

はい。

もはやどんなものか想像できません。

 

わかります。

いいんです、こんな名前とか形おぼえなくても! 

 

でも、組物には様々なかたちがあるというのはわかってもらえたかと。

ちなみに写真だと三手先。

どんな役割があるのか

では、こんなに色々な形にしてまで組物に手をかけている日本建築ですが、この組物には一体どんな役割があるんでしょう。

 

一番の役割は、突き出した軒を支えるため。

 

日本の建築の特徴(中国や韓国などももちろん)は、建物本体よりも屋根が大きく外に張り出していること。

 

この大きく張り出した屋根(軒)を支えるために欠かせない部品でもあります。

 

なによりもこれが組物の一番の役割です。

 

さらに「装飾」としての役割、「安定性」を持たせるための役割を持ち合わせている、日本建築にとっては重要なところ。

装飾として

組物を見て、「すごい組み込まれている!」と思ったり「ずいぶん簡素な造りだな~」と思ったりすることがあります。

 

これは、まさにその通り。

 

建物によって組み込み方はだいたいわかれることが出来ます。

 

基準になるのは「格式が高い」か「そうでない」か。

 

お寺や神社にとって、重要な建物って立派だし、大きな作りのものが多いです。

組物は、こうした建物の重要性によって組み分けられます。

 

例えば、お寺にとって一番重要なのは「塔」です。

「五重塔」や「三重塔」などですが、これらは仏舎利といって「釈迦の骨」を納めるところ。

 

仏教を興した人の骨が納められるんだから、そりゃお寺の中でも一番大事な建物。

だから、格式が高く立派な建物になります。

 

そうすると必然的に組物も多く、複雑化していきます。

 

それに反して「庫裏(くり)」は、お坊さんたちの日々の生活の場所。

お寺にとっては、本堂や五重塔と比べると・・・って話になってしまいます。

 

そのため、簡易な建物になってしまうことが多く、組物も簡略化します。

 

つまり、組物は立派な建物であればあるほど複雑になる傾向があるわけ。

だから、「組物が複雑」=「格式が高い」という方程式が出来上がります。

 

もちろん例外もありますが、この方程式で見ると神社やお寺の格式や建物の重要性などもわかってしまうという面白い部品です。

衝撃を分散

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そして「組物が複雑」=「格式が高い」に比例して、いかにその建物を壊したくないか、というところにも辿り着きます。

 

この組物は、接着剤などを使用して組まれることがありません。

 

それはなぜか。

 

「あそび」を持たせたいからです。

 

それぞれの部品同士の隙間である「あそび」のおかげで、地震などの衝撃を緩和し分散してくれます。

 

この辺は力学的なお話になるので、まちこの専門分野ではありませんが、日本建築にはこうした力学的な要素もたんまり含まれています。

 

だから、大きな建物には複雑な組物が組まれるわけです。

 

とくに「塔」はこの組物の集合体ともいえる一品。

 

それは背が高く屋根が多いため、地震の衝撃を受けやすいがゆえ。

 

「多宝塔(たほうとう)」(※写真のようなかたちのもの)という日本独特の塔は、とくにこの傾向が顕著です。

 

上層部がぎゅっとくびれているのが特徴なので、その分屋根の張り出しが大きくなります。

そのため、組物は「四手先(よてさき)」とよばれ、通常の建物よりもさらに上乗せして複雑化。

 

組物が複雑であればあるほど、屋根が重い、背が高い、大きいといった建物であることがよくわかるんです。

神輿のちょっとした豆知識

ちなみに神輿の場合は、屋根に瓦が載っているわけではないのに組物が施されています。

 

これは見た目の装飾的な要素はもちろんですが、もう一つ重要な役割を果たしているんです。

 

神輿はただしずしずと練り歩くだけではありません。

「おいさ、おいさ」と、上下左右にモミサシが神輿の担ぎ方。

 

この左右上下に揺らす運動は、神輿にとってかなりの負担。

建築物ではありませんが、神輿にとっては地震と同じ現象になります。

 

そのため、神輿の組み物も接着剤で組み込まれたりすることはありません。

 

寺社建築のように組み込まれた組物は、衝撃をもちろん吸収・分散。

 

神輿を担いでいるそばに近寄ると、「ミシミシ」と時々音がすることがあります。

これはその神輿の組物が、しっかりと機能している証拠でもあります。

 

決して壊れてしまう音でありません。

 

今度、お祭りで神輿のすぐそばに寄れる機会があったら、耳をすませて来てみて下さい。

日本建築のすごさが聞こえてきますよ。

ここを観ずしてどこを見よう!~まとめ~

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組物をみるなら、東大寺南大門の組物は絶対みておくべき。

 

なんと、ここは「六手先(むてさき)」!

 

背が高いし、大きい門ですから、やはりそれなりの組物が必要になります。

もう、「ひえ~」と思わず声が出てしまうぐらい、複雑複雑。

 

奈良県までいくのは大変だ、という場合でも、すぐ近くにあるお寺や神社に行くだけでもいいと思います。

 

日本建築に欠かせない組物の種類や組み方を間近でみることが出来ます。

 

有名どころじゃなくても、ちゃんと組物の構成を確認できます。

 

日本建築がとても魅力的なのは、この組物のおかげ。

まずはここを観ずして、どこを観よう!

 

興味があったら模型作りも楽しいよ

というわけで、今回は日本建築に欠かせない「組物」についてでした。

以上「おらがまち」まちこでした。