こんにちは。
弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。
文化財の保護の仕事というと机に向かって論文を書き、図書館などに通い詰めてめっちゃガリガリ勉強しなければならない!
と、思われがちです。
でも、実際はかなりのハイテク技術が必要。
一応文化財保護関連の大学&少しばかりお仕事をしたことがあるまちこが、あった方がいいなぁと思った技術や資格についてまとめてみたいと思います。
ではでは早速!
パソコンスキル
ワード・エクセル・パワーポイントは当たり前
これはもう基本中の基本です。
今の時代、どんな仕事でも大体そうですが、パソコンの知識はあるに越しません。
そしてお役人様との関連も多いので、論文や報告書の作成、発表会、講演会などもあります。
自分が先陣に立たないとしても、ご教授してもらっている先生などのお手伝いをすることもあります。
パートやアルバイトで入ったとしても、多少なりパソコンを使った仕事はやらされるはずです。
パソコンは、スマホのように指で画面動かすなんて出来ません。
マウスを使って、ブラインドタッチできるくらいのスキルは絶対必要です。
フォトショップ
文化財保護の仕事は、とにかく資料作成です。
今ある状態を記録に残すことが何より最優先となります。
そのため写真はバシバシ撮りまくります。
そしてそれを加工・保存・印刷するのはしょっちゅうです。
さらにもっと専門的になると、こうしたスキルを利用して、デジタル処理で絵画や仏像、建物などを復元したりもします。
よくテレビなんかで古建築の修復や、仏像の彩色復元などで「最新のデジタル処理で復元された〇〇です~」って紹介されたりしますよね。
今やパソコンのこうした特殊技術も必須スキルになりつつあります。
今ではインターネットで無料でやり方を教えてくれるところが多くなりました。
とにかく「悩むより慣れろ」です!
CAD
これ、必要です。
あればすごく有利。
建築や機械関連の仕事以外には使う事もないだろうと思われがちですが、そんなこと全くありません。
超使います。
昔は遺跡の発掘した状態を紙に専門家が書き起こし、なんてやってましたが、今はこんなのもパソコンです。
特にこのCADというソフトは、比率を保ったまま拡大縮小が自由自在に出来ます。
これを使ってデジタル上で復元や修復を行ったりすることもあります。
最近はこうしたデジタルの良い面をどんどん取り込んでいます。
※それでもまだまだアナログ部分は多いですが。
だからCADの知識がある人は「全く違う分野の人間だから、歴史とか文化財の仕事なんて出来ないよ」なんて思わず、思い切って飛び込んでみてください。
もともとアナログの世界であるが故に、こうした知識や技術を持つ人材は不足しています。
あなたのその力、きっと必要です。
入門としてこちらの本がおすすめ。
ソフトもついていて大変わかりやすい。
わたしも最初こちらのJW-CADから、 AutoCADに移りました。
カメラの知識
アナログカメラも使う
文化財の写真は、とにかく資料として残りうる最上の状態でなければなりません。
そのためにアナログカメラは最適なんです。
現代の技術を持ってしても、デジタルの画像をフィルムの画像域に達するのは至難の技だそうです。
そして、フィルムの画像をデジタルのような画素数で換算するっていうのも一概には出来ません。
そもそもアナログで撮った写真は、デジタルのように小さいマス目でたくさん出来たものではないからです。
そのため超細部まできれいに残るため、資料としての価値が格段にあがります。
そしてデジタルの良さは、拡大縮小が可能であること。
加工が簡単であるため、細部の拡大処理をしたときに専用のソフトでさらに画像解析が可能。
とにかく画像の使用方法が格段に増えます。
デジタルにはデジタルの良さがあり、アナログにはアナログの良さがあります。
文化財保護の分野では、この二つの使い分けがとっても大事。
今はデジタルもものすごく細かいところまできれいに写されますが、アナログにこだわる先生はこだわる。
大学や現場の先生に教えてもらうのもいいですが、やっぱり即戦力が欲しいのが世の常。
まちこは高校生のときに写真部で良かったと、何度思ったことか。
今はデジカメで、カメラ屋さんに行かなくても自分のお家のプリンタで印刷が出来てしまいます。
でも本来写真は、現像液・停止液・定着液を使用して、やっとこさ写真一枚ができあがります。
複数枚同時になんては無理な話しなので、暗室にしばらくこもることもしばしば。
外に発注することもあるかと思いますが、これにもこだわる先生はこだわります。
まちこも、夏場、酢酸にまみれて頑張りましたよ。
でもアナログのピント合わせとか、自分の力が発揮できるので大変やりがいがありました。
最近はほとんどデジタルのようですが。
今ではスマホの性能もいいので、スマホで写真バシバシ撮っていると思いますが、一眼レフなどのカメラはやっぱり経験や知識がある程度必要です。
安くてもいいので、少しはかじっておいた方が無難です。
ちなみにカメラは、専門店で買うことを強く推す。
高い買い物なので、あとで保障やメンテナンスをしっかりしてくれるところで買いましょう!
高校生のときはオリンパスのカメラから始めたよ!
そして何より歴史
そして何より歴史の知識は絶対必要です。
古文書を読むために草書体(ミミズがのたくったようなつなげ文字)を読む知識も必要かもしれません。
漢和辞典を毎日カバンの中に入れておかなければならないこともあるかもしれません。
でもきっとこれは大丈夫。
文化財保護の仕事をしたいと思っている人なら、歴史の勉強は全く苦ではないからです。
貪欲に吸収してやってくださいね。
ただしこれだけをやってしまうと、歴史のみの凝り固まった考え方になってしまいがちです。
他の分野でも面白い、興味がある分野なら、どんどん知識を広げましょう!
例えば、こちらの本。
先人の知恵を科学の目を通してみる本。
「科学は苦手だわ~」と思っても、歴史ベースの科学のお話なので結構すんなり読める。
車の免許は最低条件かも
最後にコレ。
車の免許がないと大変かも。
文化財保護の仕事は、サラリーマンのように机に向かって、営業先を開拓して、という世界ではありません。
山登りをしたり、田んぼを掘り起こしたり、仏像を運んだり、資料を求めて全国を旅したり。
とにかく移動距離が多い。
さらに自分の知識を広めるために博物館を訪れたり、さまざまな史跡を訪れたりすることが大事になります。
もちろん電車やバス、タクシーなどでも可能ですが、自分で車を持っていると移動範囲が格段に広がります。
車はツールでしかありませんが、このツール次第で色んなことが出来るようになります。
ちなみに歴史を仕事にしていないまちこですら、車は必需品です。
せめて免許は取得して、必要な時はレンタカーを借りるぐらいでいないと大変かも。
歴史が好きな人は絶対あったほうがいい。
いかに車が重要かは以下の記事に詰め込んでます。
歴史の中でやりたいことはなにか?~まとめ~
上にあげたのは必要最低限のものです。
別に資格を取る必要はありませんが、このほかにどこの分野で文化財保護の仕事をしたいのかによっても大きく変わります。
例えば、科学的な分野で研究をする場合は、X線の技師の資格が必要になったり、危ない薬品を使ったりするので危険物薬品の取扱い資格が必要になったりもします。
建築分野の文化財保護を目指しているのなら、建築の知識は絶対必要です。
まちこの経験上、大学の途中で建築の技術を習得しようとするなら、別の建築専門の大学に編入し、さらに院に進まないと全く役にたちません。
また、文化財保護の規定を作ったりする人になりたいのであれば、公務員としての資格も必要になります。
この他にも工芸師や宮大工のような、実際に修復作業に携わる場合は、どこかの師匠に弟子入りしなければなりません。
絵画の修復をしたいのならば美術系の専門大学に入り、美術の技術を上げつつ、さらに修復という自己表現をしてはいけない技術も学ばねばなりません。
一口で「文化財保護」といってもジャンルは様々です。
そして現在、この分野は医療や人類学のような分野とも連携が行われるようになっています。
天文学の知識だって必要なこともあります。
とにかく多種多様。
だからいろいろな分野との「コラボレーション化」が進んできています。
そして、こういったことは普通の学校の先生や一般人にはわかりません。
「歴史だけ覚えとけばいいんじゃない?」はもう通用しません。
とりあえず「文化財保存学科」などが大学等にありますので、そちらに入って知識を得て、方向を決めるのもいいかもしれません。
自分は何をやりたいのかがとても大事です。
仏像を修復したいのか、それとも絵画の修復をしたいのか、絵画の中でも西洋画なのか、日本画なのか、遺跡を発掘したいのか、お寺や神社などの古建築を直したいのか、
それとも文化財を守るという規定策定者になりたいのか。
公務員のように年齢制限のあるものもありますが、基本こういったジャンルに年齢は関係ありません。
大学受験に失敗したからといって嘆く事はなにもない!
そして、もし興味があり、こうした仕事に就きたいと思っているなら、自分の興味のある分野の本はたくさん読みましょう。
こんなこと、ネットにはまず載っていません。
本しか情報源はありません。
こんな小さなことですが、役にたてて貰えれば幸いです。
自分が出来なかった分、誰かに多少なりお手伝いしたいという、まちこの欲でしかありませんが。
以上「おらがまち」まちこでした。
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同志たちよ、いざ行かん!