おらがまち

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学芸員じゃないとダメ?文化財保護の仕事をしたいなら視野を広げよう!

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こんにちは。

弱小文化財応援ブログ「おらがまち」まちこです。

 

管理人まちこは、学芸員の資格を持っています。

しかも、文化財の保護の仕事をしたくて文化財専攻の大学にも行きました。

卒論も書いて無事大学を卒業して「学士」の単位ももらっています。

 

それなのになぜ「文化財保護の仕事」をやっていないのか。

というのも違って、文化財保護の仕事もやらせて頂いた時期もあります。

 

とまぁ色々諸事情あるのですが、大きな理由は「考えが甘かった」からです。

 

 

今回は、今から学芸員、とくに文化財保護の分野の仕事を目指している人に経験者からのお話です!

文化財保護の魅力

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学芸員は、美術館や博物館、植物園、水族館など特定の分野の専門知識をもった人たちのことをいいます。

 

なかでも、わたしまちこが目指したのは文化財保護の分野の学芸員。

 

歴史が大好きで、それらに関連する仕事に尽きたいと思って学芸員になることを決めました。

わたしだけではなく、文化財関連の仕事をしたいと思っている人の大多数は歴史が大好き。

歴史は面白いに尽きる

昔の人たちが作った作品を、自分の手で維持継承させていくことにロマンを感じる。

同感です。

 

あの歴史上の人物が描いた絵画をこの手で甦らせたい。

この土器がどんな成分でつくられているのか、知って再現したい。

偉人のお墓を調べて、どんな人が眠っているのか知りたい。

などなど。

 

歴史に自分が触れられると思うと、ワクワクドキドキしますよね。

 

文化財保護の魅力は「歴史」に触れることが出来るということに尽きると思います。

文化財保護の仕事の欠点

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ではこんなに面白いはずのものにならなかったんでしょうか。

 

資格も持っていて、専門の文化財保護の専門の大学も出たのにです。

考えが甘いと挫折する

それは狭い世界だったから。

 

微妙な人のつながりに「ゾッ」としたこともあります。

学生ながら「せ、せまい・・・」と思ったこと何度もあります。

 

文化財の保護の仕事をするなら「学芸員」にならなきゃ!と思っている方もいるんじゃないかな。

 

学芸員って募集人数がお医者さんになるよりも少ないですよ。

そりゃ世間が狭くなります。 

 

しかも仕事は相当大変です。

研究だけして机に向かって論文書いていればいい世界ではありません。

 

なのにお給料少ない。

 

それでも続けている人たちは、本当に大好きなんだと思います。

わたしはここで挫折してしまったわけです。

考えも甘かったし、もっとこの世界を追求しようという気にもならなかった。

 

そしてお給料もたくさんもらえるパソコン関係の仕事に就いたのでした。

 

「正反対の仕事じゃん!」

 

と思われた方。

いえいえ、それは大きな勘違いです。

 

文化財保護のお仕事には、文系だけの能力ではやっていけません。

 

パソコンのハイテク技術しかり、その反面皆さんが思っているようなアナログの技術ももちろん必要です。

歴史の知識も必要なら、化学的な知識も必要になりますし、建築的な知識や美術の知識が必要な場合もあります。

 

文化財の修復報告書を作製するときCAD(キャド)や画像加工Photoshop(フォトショップ)のパソコンスキルも必要。

ワード・エクセルなんて出来て当たり前。

 

写真は一眼レフのアナログを使用し、ピンと合わせから現像技術も必要。

酢酸にまみれて暗室で頑張りましたとも。

 

今でこそ、デジタルカメラが高性能になったので、こちらを選ぶ人が多くなりましたが、当時はカメラの知識も必要だった。

 

実は大変なんです。

 

わたしはこれで途中で方向転換してしまいました。

今思うとほんとあまちゃんでしたね。

 

だって、歴史の勉強しに行ったはずなのにパソコンのCADの勉強とかすると思います!?

 

建造物の修復に限らず、CADは今やほぼ必須。

初心者さんにはこちらがおすすめ。

 

 

まちこもやったコレ。

 

文化財はいっぱいあるけど所詮は人の主観

文化財は「文化の財」なので、歴史の中で作られて来たものなら何でも「文化財」になります。

 

「文化財」というと、国宝や重要文化財、都道府県・市町村指定のものだけと思われがちですが、そうではないです。

 

あなたのすぐそばにある、その携帯電話だってもしかしたら将来文化財になる貴重な一品かもしれません。

 

それぐらい「文化財」ってのは身近に存在するものなんです。

 

しかも登録されたり保護されたりするものって、確かに歴史が古くて有名人が手掛けていた、などちゃんとした理由があります。

貴重な品を使っているものなどなど。

 

でも、あなたの町のすぐそばにあるあの神社のあの彫刻は、誰も調べに来てくれないし、誰も国宝にしようなんていいません。

同じ「文化の財」なのに。

 

これはもうそれを見る個人の価値観でしかないです。

 

同じ時代に作られたものなのに、あっちは有名人が作ったから国宝に登録されてこっちは無名の人だったから登録されなかった。

そんな文化財たくさんあります。

 

管理人まちこはこの辺にも矛盾を感じてしまったわけです。

 

こうした文化財は結局だれの関心も得ることなく、きっとひっそりと静かに消えていく運命なのかもしれません。

わたしの「地元の文化財」で紹介している神社や山車・神輿などもしかり。

もっと小さくみれば、星の数ほど。

 

そこまで手を広げることがいかに大変かってのもよくわかっているんです。

でも、文化の面ってどうしても気づかない事が多いのです。

後回しにされることも多いのもこの分野。

 

さびしいですよね。

 

 

歳のせいか最近とくに。

微力だがそれなら自分でやろうじゃないか、とこのブログを立ち上げたわけです。

 

「地元のお祭りが好き」だから、登録文化財にして欲しいとかそういうことではありません。

 

色々な方に国宝や重要文化財だけでなく、地方のさきっちょのほんとにさきっちょにもこんな素晴らしいものがあるって知ってもらいたいし、地域の人にも知ってもらいたいのです。

 

というわけで宣伝。

まちこバシバシ紹介してます。

南房総になくてはならない宮彫師、後藤義光。

 

www.oragamati.com

 

今から文化財関連の仕事をしたいと思っている人へ

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大学進学だけじゃない

文化財保護の仕事をするためには、公務員や学芸員にならなければできないわけではありません。

 

大学に進学しなければ出来ない。

なんてこともありません。

 

この分野の仕事は、本当に多岐にわたります。

 

例えば仏像一体を修復するためには一体どんな人たちが関わっているのか。

なんて、考えた事あるでしょうか。

研究や仕組み作りは学芸員や公務員

研究や文化財を維持継承して行くための仕組みを作るのは学芸員や公務員の仕事です。

 

ですが、実際にものに触れて作業をしていく立場にはほとんどありません。

 

わたしはこの形にこだわり過ぎてしまって、他のものが見えませんでした。

 

今になって社会人を経て見渡すと、実に色々なことがわかります。

文化財の保護の一体何をしたいのか、もう一度考える必要があると思います。

 

この記事を読んでいる方は、高校生か大学生か、それとも社会人になった方なのか、はたまた定年退職をしてなにかしら役にたてることはないかと思っている方なのか、断定は出来ません。

 

でも、文化財保護には実にたくさんの人が関わっています。

自分がどんなことをやりたいのかちょっと立ち止まって考えてみて下さい。

実際に作業するのは職人

文化財を維持するためには、それを修復したり再現したりする力も必要になります。

 

そのために色々な伝統工芸の職人さんが必要です。

職人の技術を学ぶのに進学は関係ありません。

もちろんん進学して知識を持って入るのは最高だと思います。

その分野を知っている知っていないでは大違いです。

 

進学してから弟子入りするもよし、駆け込みで弟子入りするもよし、とにかく師匠から学ばねば技術は身につかないのが職人の世界です。

 

実際に触って直したい再現したいと思っているなら必須の技術です。

そして根本は「木」の担い手

根本的にはここだと思っています。

 

日本の文化財には「木」が欠かせません。

彫刻するにも建築するにも絵画を書くにも、全ては「木」です。

 

しかし、現在「木」を管理する林業では後継者不足が大変危惧されています。

日本の文化ともいえる漆も現在ほとんどが中国産。

 

なのに、国宝や重要文化財の修復には日本産を使うように義務付けられます。

これでは他の文化財への需要がますます減って行ってしまう状態。

 

日本の文化を守るんだ!という大志を持っているなら「林業」は是非やってもらいたい分野です。

 

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林業の実態がよくわかる本。

本読んでるだけじゃダメ

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さきに問題を出した仏像の修復過程で関わる人たちですが、下に一覧でザッとご紹介したいと思います。

いたりいなかったりだと思いますが、一般的なものを想定。

 

  • 管理人(仏像を所持している人・一般的なのはお寺の人)
  • 地域の住民(お寺なら檀家さんなど)
  • 運搬業者
  • 学芸員
  • 仏像のある都道府県・市町村などの公務員の方
  • 仏像彫刻師
  • 工芸師(塗装を別にしている場合など)
  • 資材(木材や漆など作っている人)

 

細かくすればもっともっとたくさんの人が関わってます。

それぞれのお弟子さんとか、和紙作っている人とか、彫刻刀を作っている職人さんだって一役買っています。

 

とにかくたくさん!

 

もし、あなたが文化財保護の仕事をしようと思っているなら、今一度立ち止まって考えてみて下さい。

あなたが一番持っている能力を使えばどんな形でも文化財保護をすることは出来ます。

 

例えば自己満足に過ぎませんが、わたしのようにブログで紹介するのもまた一つかと思います。

 

どんな立場になったとしても、文化財の保護の仕事に携わりたいんだというのであれば、決してあきらめないことが何よりも大事。

 

学芸員じゃないと文化財の仕事が出来ないと思っているなら、その考えは大きな間違いです。

 

歴史の研究がしたいのか、実際に仏像を修復作業をしたいのか、それとも文化財を支える縁の下の力持ちになりたいのか。

 

文化財の保護の仕事をしたいなら、まず自分の視野を広げてあげて下さい。

大学では「文化財保護には、将来こんな職種があるよ」なんてこと細かく教えてはくれません。

 

本を読んでいるだけでは、現実の世界の現状なんてわかりません。

 

今の自分の能力はどうなのか、どこでどうやって貢献したいのか。

色んな世界に飛び出して視野を広げ、もう一度見渡してみて下さいね。

 

 

以上「おらがまち」まちこでした。

 

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同志たちよ、いざ行かん!